2ちゃんねるは高齢化ネット社会?

 だいたいネットを見回っていると感じるような2ちゃんねるニコニコ動画YouTubeの年代別利用動向調査がある。歴史が浅いニコ動などのサイトはともかく、すでに10年になろうとしている2ちゃんねるは高齢化しているのだというが、さてどうなのだろうか。

イメージ通り!? 2chは高齢化、ニコ動は“リア厨”(ITmedia)

 インタラクティブなWebの利用の歴史をさかのぼれば、掲示板やチャットから始まったといってもよいだろう。ジャンルごと、あるいはCGIを使える人が独自で設置したり、teacupのように自由に持てる掲示板のサービスもあったりした。初期の頃はNifty-Serveからの転向者が多かったであろうと思われる。顔文字文化などがすでに形成されていたのである。この世代の経験者はいまだに普通のメールに(^_^;)のような顔文字を入れてきたりして、だいたい歳がわかる。人気のある掲示板ほど「荒れる」ということを経験し、またそれを諌めようとする人も現れる。運営者がどうしようもなくなれば閉鎖に追い込まれることがよくあり、掲示板の限界が認識されるようになり、匿名掲示板は廃れるかと思われた。当時掲示板が荒れると「そこまで言うなら本名とメールアドレスを名乗れ」というようなことを言う人もいたが、個人情報の保護が意識されるようになった現在では笑い話に近いことである。


 そうした掲示板が衰退するかと思われた頃に登場したのが2ちゃんねるである。当初の経緯のことはよくは知らないが(あめぞうとか)、むしろ礼儀正しくないスタイルが受けたのか人気を博するようになり、その後ネットの掲示板といえば2ちゃんねるが代表格となった。いまだに日記などを掲示板で行っている人は、むしろブログのような新しいネットツールに付いていけない人という印象すらある。


 礼儀正しくないのが、何か誹謗中傷の巣窟、あるいはクレーマーの密告の場のような見られ方をするのも、当初はインターネットを敵視したマスコミの影響も大きいだろう。特に犯行予告が書き込まれたりしたことで、2ちゃんねる全体、インターネットそのものを否定したがるような風潮があった。それにも拘わらず2ちゃんねるが継続し続けるどころか、ユーザ数も増えていったことには、この年齢層とも無関係ではないだろう。もし本当に単なる誹謗中傷だけだったり、アスキアートだらけの書き込みだったら、いずれ飽きられて衰退していたと思われる。今ではマスコミ自体が2ちゃんねるでの発言を記事のネタにしたり、関係者そのものも書き込んでいるではないかとさえ思える。


 ところで、ジャンル別に分けられた掲示板の流れていきやすい書き込みをずっと見ていると、必ず「これは?」と思わせられるものがあったりする。口調はともかく、たった数行の書き込みなのだが、そのテーマの本質をズバリと突いていると思われるものや、あまりにも深読みの情報で「コイツ只者ではないな」と思わせる、あるいは関係者そのものが書き込んでいる可能性があると思われるものもある。そうしたものを感じられる人が多いからこそ、根強い人気になったのだろう。年代と同時に、もし2ちゃんねるに書き込んでいる人の正体が明らかになったとしたら、おそらく日本を代表する企業や組織の名前のリストができ上がるだろうという話も以前からあった。たとえば「KY(空気を読め)」などというのも2ちゃんねる発だが、ある年代以上でなければ空気など読めないし読む必要もないだろう。


 当初から2ちゃんねるに参加している人がそのまま10歳ずつ歳をとっただけなのか、むしろ中年にさしかかった頃になると2ちゃんねるに関心が高くなるのかはわからない。しかし短い文字だけのメッセージに本音や諧謔を詰め込むことができるのは、ある程度人生の辛酸をなめてきた人間だからこそできると言えるかもしれない。かくいう自分は、最近は書き込むことは少ないが、特定の掲示板でほとんどの場合、当たり障りのない「ネタ師」である。



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