電子メールに代わるシステムは?
電子メールは古くて寿命の長いネットのコミュニケーションツールだが、もはや時代遅れの感がしないでもない。実際Webサーバーを運用するのに比べてもメールサーバーの方が負担も大きい。ではメールに代わるツールはどうなっていくのだろうか。
電子メールはもう古い?: IM、チャットがビジネスコミュニケーションの中心に (ITmedia)
外部のメールといえばスパムが常識になってしまって、メールサーバーを自主運用するにしても踏み台にされないようにセキュリティ上の問題は頭が痛い。その上、メールサーバーがダウンしたりすると即座に業務に影響する。メールは届いて当たり前だという感覚なので、運用面は待ったなしである。当たり前のことのための負担が大きい。早くからサーバーの運用能力があったところほど、早々とメールサーバーの運用は外部に出してしまったケースが多いのではないだろうか。典型的なのはlivedoorのようにプロバイダのメールごとGmailに委託してしまっていることである。大学でも規模が大きい日本大学がGmail、早稲田大学がYahoo!メールに全面移行させている。
どんな職場でもメールが使えることは常識になったが、それがかつてのように重宝がられているかといえば、そうではなくなってきているようだ。サイトにサインアップしたりログインするときのIDの代わり(OpenIDとか)の意味はあるものの、もはやメールのやりとりで重要な仕事をしたいとは思わない。
とはいえ、ではメールにとって代わるツールは何かといえばこれが決定版というものもない。メールの代わりにインスタントメッセンジャーやチャットが使えれば、会議などのリアルタイムコミュニケーションが必要な場面では一部はメールに代わるものとしての役割を果たすだろうが、それだけでは不十分であろう。
1つはWebによる内部のSNS的なもの、これはまとまった記録が残せるという点ではメールの残る部分の役割を持たせることができるだろう。それにブログからライフストリーミングのようなものであろうか。これらが有機的に組み合わさったツールが発展して初めてメールに頼らなくてもよいシステムになるのかもしれない。そうなったときメールシステムは消え去るが、メールアドレスだけは新しいコミュニケーションツールのIDとして残るかもしれない。
会議システムとしては会議室に大きなモニターが置かれてものをよく見かけるが、あれも大きなテレビをみなで見ているようで、あまりネットが普及していない時代のもののように思えてならない。何か電子黒板と同様である。小回りのきくノートPCにWebカムとピンマイクを付けたくらいにして、大きなモニターがあるにせよ、発言者の姿がクローズアップされるようにできないものかと思う。議事録もほとんど自動的にできあがるようなものである。
ネットは外部に拡大したが、再び内部システムの革新が起きてくるだろう。かつてのローカルの社内メールがなくなったように、そのときが事実上の電子メールの終焉になるだろう。