NHKオンデマンドが開始

 NHKが12月1日から過去番組のネット配信を始めた。1週間に見逃した番組やアーカイブをネットで見られるというもの。通常の受信料とは別に有料サービスである。高画質のため光回線でないと環境的には厳しいのかもしれない。

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NHKオンデマンド
NHKonline(YouTube チャンネル)

 テレビとYouTubeのようなネットによる動画配信、放送と通信の融合、著作権問題、いろいろと言われてきてテレビとネットは対立関係にあると思われているが、意外なことにNHKが見逃しテレビのネット配信を4月の放送法改正を契機に自主的に始めた。スポンサーとの関係がないNHKならではとも言えるが、保守的なイメージだけにやはり意外である。ただ受信料の支払いに加えて、さらに有料というのはちょっといただけない。悪く解釈すると決まった時間に番組を見逃したのは自分のせいなのだから、別にネットで見せてやるのに別料金を払って当然、という驕りを感じなくもない。


 これまでは進歩が著しいネットがテレビに迫るという構図だったが、NHKオンデマンドはテレビ側からネットに近づいたものと言えるだろう。NHKはすでにYouTubeへの番宣などを実験的にYouTubeチャンネルに提供していた。当初は7月までの期間とされていたが、こちらもまだ続いているようである。NHKオンデマンドを開始するための実験の意味合いもあったのだろうか。現在は歳末助け合いのプロモーションビデオを流している。
 

 まだ始まったばかりだから、これから改善されていくとは思うが、少なくとも受信料を真面目に払っている人に、さらに高速のブロードバンド環境と高性能PCをデフォルトとして要求するのだから、別料金というのは見直しをされるべきのように思う。せいぜい受信料の中に小額のオプションとして含むくらいではないだろうか。


 見逃しテレビの提供は、YouTubeへの番組録画のアップロードが絶えない状況のテレビ側の対応のようにも見える。テレビ側にはコンテンツを作り、提供できるのは自分たちであるという自負があるだろう。それに対してネット側は全部オープンソース軍団みたいなものである。これを機会に、ますますネット対テレビのせめぎ合いが加熱してくるかもしれない。その先はどういう形になるだろうか。