意外と?軽いWindows 7β

 Windows 7 β版が公開されて、あちこちでテストされているようだが、予想通り意外と?軽いという評判のようである。WindowsのOSそのものにあまり関心はないが、ネットブック(ミニノートPC)のOSをどうするか、またデスクトップかサーバー側としては、仮想化したゲストOSとしてのパフォーマンスがどうなりそうか、というところだろう。

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 Windows 7 β版は本当にダウンロードできるのか、という興味からダウンロードだけしてみたが、インストールを試してみるマシンがちょっと見当たらない。XPのB5ノートはあるが、たぶんメモリが256MBなので足りないだろうから、何らかのメモリ拡張をしないとおそらく無理だろう。わざわざそこまでしてインストールしてみるには、現在のところ他のLinuxサーバーを少ないメモリのマシンでどうやって動かすかということよりも、さしあたり優先順位も低い。


 記事やブログなどの評価によれば、Vistaに比べてやはり動作は軽くなっているようである。Microsoftとしてはネットブック市場を逃したくはないだろうから、当然の対応ではあるが、果たしてそううまくいくかという予想はあった。Vistaが重すぎたからかもしれない。まだβ版であるから、正規版ではネットブック用Editionなどとして出してくる可能性はある。そういえば、どうでもよいがWindowsCEなどはどうなっているのだろうか。


 WindowsIntel CPUが結びついてから、PCのハードウェアはOSによって決まるというのが常識化したのだが、ネットブックに関してみれば、その考え方を変えていった方がよいのではないか。CPUのAtomSSDネットブックでは主流になっていくだろうから、OSはこれらのパフォーマンスを最大限引き出せるものであるべきである。OSにハードが合わせるのでなく、ハードにOSが合わせるべきである。


 少なくともVistaは俄かに出現したネットブックのハードには適合したものではなかった。苦し紛れにすでに販売終了したはずのXPを急遽搭載して「Vistaからのダウングレード」と称してきたわけだが、あまりに不自然すぎる。ネットブックが評判で価格も手ごろとはいえ、イマイチ様子見なのはXPのプリインストールモデルばかりが出ているからである。XPモデルと同じハードのスペックで、LinuxプリインストールないしはOSレスモデルが、XPモデルよりも割安で(有償のXPがなければ当然に思える)手に入るならば買いたいと思うのだが、現状ではXPモデルを買って、それを潰してLinuxを入れることになりそうである。無駄にXPの分に投資したくないという気持ちである。現状ではむしろWindowsネットブックの普及を阻害している。


 もう1つが仮想化で、ネットブックは仮想化する必要はないとは思うが、それなりのスペックを持っていればXenなどによるハイパーバイザタイプで仮想化した上でゲストOSを入れることは意味のあることになってくるかもしれない。それを考えても、初めからWindowsにOSが固定されてしまうことは敬遠したいものなのである。ネットブックに限らないが、これからはWindowsはゲストOSの1つとして動けば十分という気がする。目的はただWindowsアプリを動かすことだけである。


 特にWindows 7が出る前の、今年にネットブックを導入を検討している組織にとっては、もっとも難しい選択を迫られる気がする。金融危機のご時勢の折、インフラの新規導入もままならないので、コストが低いネットブックを導入しようとしたとき、OSがネックになりそうだからである。またXPに戻るのか、Windows 7が出るまであと1年、現場が待てるかということになる。さらに悪いことにVistaからはWindows 7にアップグレードできるが、XPからダイレクトにはできなさそうということである。ダウングレードしたのだから、XP→Vista→7 と2段階でアップグレードしろ、ということになるのだろうか。


 そんな状況でWindows 7を待つべきではない!」などという無責任に思える記事を見かけたのだが、なんのことはない、Microsoftの広告記事というオチだった。