Googleのストレージサービスはあるか

 Googleのサービスの打ち切りの一方で、新しいサービスへの期待も大きい。典型的なものはWeb上から個人のファイルを自由に保存、読み出しができる、いわばインターネット上のファイルサーバーのようなサービスは、以前から期待されてきたようだ。

グーグルによるオンラインストレージの可能性--「Google Web Drive」..(CNET Japan)
グーグル、「Gmail」と「Google Apps」でストレージを増加へ(CNET Japan 2007.1.15)

 GmailYahoo!メールは早くから大容量のメールボックスを無償で提供していて「メールを消す必要はありません」などということを売りにしている。Yahoo!などはGoogleに対抗して「容量無制限」などと売り出しているが、メールだけでそんなに大容量を使えるものではない。ファイル添付できるとはいえ、ファイル1個1個の容量には制限がありそうだし、そんな大きな容量のファイルを添付したのでは、いつまでたっても送信・受信が終わらない。Webメールが登場したばかりの頃は、自分で自分宛にファイル添付したメールを出しておき、家に帰ったら受信するなどということもやっていた。今なら携帯メールでPCに画像を送信するような感じであろう。結局、メールボックスの大容量はなかなか思うようには利用できない。

 まだWebページがFTPでプロバイダなどに送信するのが一般的だった頃は、Webページはどうでもいいから、割り当てられたpublic_htmlの領域をFTPサーバーのファイル保管場所として使うということもやった。プロバイダからすれば余分なファイルばかり増やされて迷惑だっただろうが、それにしても1人当たり数10MB程度の頃である。


 ならば、ファイルサーバーをインターネット上に公開すればよいと思えるが、残念ながらWindowsファイルサーバーやSambaサーバーが外部に公開されることはセキュリティ上からも、ほとんどないだろう。

 そして流行りそうで流行らなかったのはWebを使ったファイルサーバーといえるWebDavである。確か記憶ではクライアントがWindows2000だとスムースにWebDavに接続できるが、XPになってからスムースに繋がらなくなったと思う。Microsoftの陰謀かとも思えたのだが、トラブルが多ければあまり実用には耐えられない。


 現在さまざまなWebサービスが花盛りだが、Webを介してのストレージサービスというものはあまりありそうでない。自分が使っていたものもYahooブリーフケースなどのようにいくつかあるが、いずれも容量は100MB程度でそれほど大きくはない有償ならそれなりに容量は増すのだろうが、無償ではGmailのようにGB単位というわけにはいかない。


 しかしこれだけストレージの単価が安くなっている時代に、大手のサイトが無償で大容量のストレージを提供してくれてもよさそうに期待してしまうのも無理もないところだろう。Googleには以前から、GDriveのようなサービスの噂はあったらしい。そこでクラウドの時代になってきた今こそ、サービスの色がつかない純粋なストレージサービスとしての「Google Web Drive」を勝手に期待されてしまうのだろう。そこにMicrosoftが一新したWindows Liveサービスで SkyDrive というストレージサービスを無償で25GB提供するようになった。ここではGoogleを出し抜いた格好である。Googleがこれに対抗するようなストレージサービスを始めるかどうかである。


 Googleクラウドサービスでも似たような状況である。クラウドGoogle App Engineを無償で提供しているとはいえ、Amazon S3のような仮想サーバーの内容を保存するストレージサービスがまだない。これを有償にするかどうかで慎重になっているのではないかと思われる。


 ダラダラと書いてきたが、結局ストレージサービスは、現在ではクラウドとの結びつきが最も強くなってきたということである。容量だけが大きいファイルの物置のようなストレージは大量の情報流出の恐れがあって、ネット上ではあまり良い方法とはいえないだろう。もっとも、自分も自宅では物ぐさなので1TB近くのファイルサーバーに、何でも放り込んでしまっている。