ドコモは10年ぶり2000万台割れ

 金融危機による不況の影響もあるのだろうが、ここにきて携帯の販売台数が減少に転じてきた。もう携帯も行き渡って、買い替え需要ばかりになったのだろうが、積極的に機種変更したがる動機も少ないようだ。

ドコモ、10年ぶり2000万台割れ 08年度携帯販売見通し(ITmedia)

 自分もドコモユーザなので、この落ち込みは予想できたことである。一昨年にプランを変更し、バリューコースとやらで携帯の価格を割り引かない代わりに、月々の基本料金を下げるということをやった。結局のところ、元を取るには2年間は機種変更できないようになっていた。その1年目にあたる2008年には機種変更する人が減少して当然であろう。


 それでも元を取る前であっても、機種変更したいと思えるだけの新機種でも出てくれば別かもしれないが、マイナーチェンジくらいにしか思えない。そして昨年はソフトバンクにはiPhoneの販売権を取られたことも大きい。iPhoneそのものが現状で日本では普及するかどうかはともかく、世界的に話題になったiPhoneから蚊帳の外に置かれたような印象で、いくら独自機種を謳ってみても、そちらに鞍替えしようという気は起こらなかっただろう。なんとなく白けたような気分で、ソフトバンクiPhone騒ぎを見ていたようなものだった。


 そしてドコモの落ち込みばかりでなく、結局はauソフトバンクも販売数が減少しており、日本の携帯そのものが停滞してきているのかもしれない。どちらにせよ世界に通用しない日本の携帯なので、内需拡大するしかないのだろうが、大人には腕時計などと同じでほぼ行き渡っているから、新たな顧客としては低年齢層を狙うしかないが、これも国の指導方針からして、小中学生に携帯を持たせることはまかりならん、というような世論誘導であるから、もはや売れるターゲットがないのではないかとさえ思える。


 ドコモはスマートフォンとしては、オバマ大統領も使っているというBlackBerryを主力に据えるつもりなのか、あるいはビジネスユーザだけ対象なのか、あまり戦略も見えてこない。どちらかというとインフラに投資した分を早く回収したくて、場当たり的な機種販売や料金プランの設定をしてきたのではないかと思える。


 自分もなんとなく面倒くさい気持ちが先に立ってドコモを続けているが(実は簡単なのだろうが)、いつになるか次の機種に変更する頃には、もっと日本の携帯が落ち込んでいるかもしれないと危惧をしている。