ブログが1週間以上サービス停止

 他人事とはいえ、いろいろ考えさせられる事故である。運用する側からすれば、外部からの攻撃ではなくとも、重大なセキュリティの問題であると言えよう。あるブログシステムの障害で1週間以上もサービス停止のままであるという。

ブログサービス「Doblog」で障害発生。1週間経過も復旧せず(INTERNET Watch)
Doblogのサービス停止について(NTTデータ)

 名の通った企業のサービスでこれだけ長い時間サービスが止まったままというケースは珍しい。個人運用のサーバーがディスククラッシュしてしまい、なかなか復旧できない場合と同じレベルと思われても仕方がないほどである。あるいは無償サービスだからこんなものというのならば、それはあまりにもネットの誤った認識をしていることになる。


 ブログならずとも、メールも外部サービスに頼ることが少なくない時代に、このようなケースがクローズアップされれば「それ見たことか。だからサービスは外部に出すべきではない」という考え方に戻ってしまいかねない。業務用のメールシステムが1週間以上も不通になってしまうことを想像するだけでも背筋が寒くなるからである。Webやブログも同様で、ブログ形式で毎日のオフィシャルの情報提供を行っていたとしたら、突然ブログへ一切のアクセスが不可能になったとすれば、ブログそのものを業務に使うことを見直すことにもなりかねない。クラウド時代が進展すれば、ますますサービスやデータを外部に依存することになるから、今回のようなケースの不安が増幅することになるのである。漠然と「Googleなら大丈夫」とか「Microsoftなら大丈夫」などと言うのも根拠のない願望に過ぎないことになる。そうでなくとも「無償サービスだから要望はできない」という諦めに近いような意識になっているケースも多い。


 しかし無償サービスだから障害になってもすぐに復旧しなくても構わないというところが、仮に有料になったからといって障害にすぐに対応できるようになるだろうか、と考えるとそうとは思えないことになる。逆に無償サービスでさえも信用のおけるサイトなら有料サービスを使っても安心できると言えるだろう。


 クラウドが一般化してくると、まさにこうした判断、決断を行わなければならない時が来るだろう。もし外部に依存したクラウドが障害になったらとか、やはり手元にサーバーを置いた方が安全という発想だけではクラウドへの移行は難しいものになるだろう。