WBC開幕、まず中国戦に勝利

 いよいよWBCが開幕した。日本はまずは中国に順当勝ちといえるが、イチローはじめ打線は貧打で、完封したとはいえ、中国に善戦を許す結果となった。次戦に不安を残す結果となったが、割と国民の注目度も高くなったWBC、さてどうなることか。

ダル46球斬り日本連覇へ快勝発進/WBC(nikkansports.com)
イチロー5の0「へこみました」/WBC(nikkansports.com)
つなぎの4番が攻撃を寸断…2度の好機で凡退(SANSPO.COM)
Aロッド、WBC不参加が決定(nikkansports.com)

 先発ダルビッシュが格下相手とはいえ、ピシャリとした投球で、これが後続の投手陣を引き締めた結果の完封勝利とも言えるだろう。今回のWBCは投球数に制限があるからとはいえ、2番手以降の投手も中継ぎというより、各球団のエース級の投手ばかりであるから、自分より前に投げた投手が好投すれば、プライドからも自分のところで無様な結果を出すわけにはいかないだろう。まかされたイニングを完璧に抑えるという意識が強く働いたと思える。それだけに、やはり先陣を切る先発投手の出来が重要になると思われる。一番期待されている松坂あたりが余裕の?乱調は起こさないでほしいものだ。原監督としては、投手陣のプライドをうまく発揮させる投手リレーを考えればよいのだろう。


 問題は打撃陣である。横浜・村田の一発だけだったといえるが、順当なら韓国戦となるであろう次戦ではどうなることか。1番に戻ったイチローが無安打、無出塁では厳しいところではある。ポッと出の若手ではないのだから、ここまでは絶不調とはいえ、ここ一番で活躍することを期待するしかなさそうである。また原監督の抜擢で4番になった日ハム・稲葉も、初戦は不調だったようだが、勝負強さは次戦以降には期待できるとみてよいだろう。


 打撃のオーダーを見ると、もともと国際戦に強い4番打者は不在ともいえるわけで、4番を含めた打線は文字通り次に繋げるようなオーダーにしていることになるのだろう。実は特徴は上位打線にあるのではなく、下位打線にあると思える。なぜなら7,8,9番が、福留、城島、岩村のなんとメジャーリーガートリオになっているからである。彼らは過去に国際戦の経験も豊富である。この3人をそのままクリーンアップに持っていっても不思議ではない。実は原監督の思惑は、上位打線で繋いでランナーをためて、下位打線で大量に得点するということではないかと思えてくる。短期決戦だけに相手も上位打線を抑えることに注力してくるであろうから、その裏をかいて下位打線で爆発させる意図にも見える。投手起用もそうだが、短期決戦ではレギュラーシーズンでのセオリーは通用しない。相手の投手もクルクル変わるから、上位打線といえども、そうそう点を取るのは難しくなる。相手も隙ができやすくなる下位打線相手のところで叩こうということかもしれない。


 いずれにしても、2戦目となるおそらく韓国戦が序盤戦のヤマとなるだろう。ここで原監督の打線の戦略が当たれば、メジャー投手相手が増えてくる2ndラウンド以降も見えてくるように思える。


 ところで、Aロッドが急遽、WBC不参加ということになった。結局、松井と同様の立場になってしまった。今回はドミニカ代表として出場予定だったが、薬物騒動の後だけに汚名返上の第一歩になるかと思えたが、不運なことである。もともと、なぜメジャーリーグが五輪に参加を認めなかったかというと、この薬物疑惑があったからであろう。規定がなかったからとはいえ、メジャーリーガーには疑いのある選手が多かった。そしてメジャーリーガーの不参加が五輪の野球廃止にも繋がった。その代わりとしてメジャーリーグ主催で提供されたのがWBCでもあったからである。