小川IGF出場、石井ブラジル修行へ

 久しぶりに猪木のIGFが開催される。1月開催予定がジョシュ・バーネットのスケジュールの都合で3月となったようだ。あまり試合の間が空くとIGFの存続が難しくなっているのではと心配になってしまう。今のところ、ジョシュがIGFでもエースの扱いのようだ。格闘技もプロレスもこなすバーネットは、いつでも石井と戦う用意があると言っている。そしてどうなることかと思っていた小川も久しぶりに登場する。日本人対決で高山とやる可能性が高い。

小川&ジョシュが15日GENOME参戦(Sponichi Annex)
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猪木、石井にブラジル修行のススメ(Sponichi Annex 2008.11.6)

 さて、柔道から格闘技に転向した石井慧は、アメリカに移住して修行に励むことのようだったが、ここにきて今度はブラジルでの修行を行うという。節分の豆まきを小川と行った際に、小川からプロの何たるかを学ぶために「猪木に弟子入り」を勧められたようだが、きっぱりとこれを断っている。どうも猪木に弟子入りするとは、プロレスのエンターテイメントの部分を教えられることだと勘違いしていたようである。


 猪木は石井を見てすぐに弱点を見抜いて、初めからブラジル修行を勧めていた。今回、石井がブラジル修行を決意した経緯はわからないが、結局は猪木の言う通りのことになっている。石井の評価するLYOTO(町田)は実は猪木の秘蔵弟子だし、国内での興行には猪木事務所(閉鎖)に所属して出場していた。初めの頃は内容的に不甲斐ない試合をして猪木にビンタを食らっていたものである。ノゲイラはPRIDEヘビー級チャンピオンだったが、当時からブラジルに縁のある猪木とは親交が深い。日本で仕事がほしい格闘技系の選手はみなプロデューサーとしての猪木を頼りたがる。それにしても、猪木の現役時代のことを知っているからこそである。


 猪木vsアリ戦は、世界でおよそ格闘技を目指す者は誰でも知っていると、来日した選手が言っていた。柔道相手ということでいえば、猪木はウィリアム・ルスカ、ショータ・チョチョシビリという柔道金メダリストと激闘をくりひろげた。まだ総合格闘技などというものがなかった時代である。


 それはさておき、石井も猪木のコネが強いブラジルで修行してどう変わって帰ってくるのか、期待して見ておきたい。


 さて、IGFには小川に、佐山も再び参戦する。猪木、佐山、小川とくればもう10年前のUFOの再現である。小川をエースに立てて、格闘技に殴りこみをかけるはずだった。他にも格闘技向きの藤田や石沢(ケンドー・カシン)がいた。志は良かったと思うが、興行的に軌道に乗らなかったか、佐山が抜け、猪木が気が向かなくなったか、いつしか自然消滅のようになった。IGFはある意味巻き返しともいえるが、プロレスの低迷は続き前途は厳しいだろう。プロレスばかりでなく、PRIDEが消滅した後の総合格闘技も、一時の勢いはなくなっている。人気を盛り返すにはやはりカリスマ的スターの出現と、面白い試合が求められるだろう。実力もさることながら、石井は人気面も背負うカリスマ的存在になれるであろうか。