WBC第1ラウンド韓国戦快勝

 意外な結果のWBC第1ラウンド韓国戦は日本のコールド勝ち。というと高校野球の予選のようである。球数制限といいタイブレーク制といい、なるべく選手に負担をかけずに終わらせたいイベントのようではある。

侍ジャパン14−2で宿敵・韓国にコールド勝ち!(SANSPO.COM)
イチロー目覚めた韓国をコールド/WBC
松坂対韓国戦3度目の登板で初勝利(nikkansports.com)
王さん、イチローは「ダン、ダンといく」(Sponichi Annex)

 メジャーリーグの思惑とは別に、アジアラウンドでは日本−韓国の因縁の試合が続く。見ている方は、どうしても北京五輪での惨敗がまだ記憶に新しいだけに、あの再現だけは避けてほしいと思う。決して北京五輪のリベンジとは思いたくないが、イチローや松坂にかかる期待は、あのムシャクシャした気分をなんとかしてくれというものが多いだろう。同時にメジャーリーグ主催のイベントなのだから、日本人メジャーリーガーのプライドを見せてほしいものだと思っている。


 さて、絶不調だったのイチローの復調から試合は明けた。ファンは心配でもプロの先輩はおしなべて「心配はいらない」というものだった。そしてやはりそうなった。技術的なことは誰もアドバイスする必要がない選手である。もともと春先はスロースターターだけに、いつ目覚めるかということだけだったようだ。


 松坂も出だし乱調気味なのはいつものことながら、初回から本塁打を浴びるとはやや意外だった。しかし誤算はここまでで、後になるほど調子を上げるのも松坂のパターンである。問題は球数で何回まで持たせられるかということだけだった。そして2番手以降の投手がまたも1イニングずつピシャリと抑える展開だった。1回以外は全く危なげない試合であった。北京五輪の試合内容とは雲泥の差であった。まだ韓国とは2試合は当たるはずだが、この後も安定した試合展開を続けることができるだろうか。選手の能力は問題ないので、チームとしての勢いが必要になるのだろう。


 イチロー、松坂、村田の2試合連続本塁打などの陰に隠れているが、やはり原監督の選手起用が光った気がする。左投手対策といはいえ、4番に抜擢した日ハム・稲葉を韓国戦ではあっさり外し、横浜・内川を起用し、1回から見事にこの起用が的中する。2008年のセリーグ首位打者とはいえ、国際試合では若手の抜擢のようなものである。阪神・岩田の選出もそうだろう。やはり現役監督のこともあり、リアルタイムで選手のコンディションや調子を見抜いている。だから一見意外なタイムリーな起用もできて、それが当たるのも決して偶然ではないのだろう。今一番調子が上向いている選手を出す、という当たり前の起用を正確に行っているといえるかもしれない。選手の実績や起用にこだわりを持ちすぎた星野監督との違いがこのへんにあるように思えた。しかし、原監督は外した選手にも、またタイムリーな場面でチャンスを与えることだろう。