3/14は円周率の日

 「今日は何の日?」というのにユニークな日として、アメリカでは3月14日を円周率の日とすることが議会で可決されたという。金融政策のための法案審議の中、あまり政治色のない忙中閑ありといった感じだが、教育上もなかなか良いことかもしれない。

米下院、「円周率の日」制定法案を可決(CNET Japan)

 日本でもこじつけのような、いろいろな日が制定されているが、ただのダジャレの語呂合わせにした日だったりすると、なんだかガッカリすることもある。それに比べれば、この円周率の日はなかなか為になるようである。


 何せ日本では今となっては、すっかり悪名高くなってしまったゆとり教育」の象徴として、小学校では「円周率は3とする」などということがあった。小数点以下を暗記させるのは、ゆとりがなくなるから不適切だという判断だったのだろうか。小学生に無理数とはを説明する必要はないだろうが、小数点の数を暗記することが大事なのではなくて、どうして半端な数になってしまうのかということを問題として感じさせることが大事なのではないのかと昔から思えていた。ただ近い数字で長さとか面積が計算できればいいという問題ではないのではないか。3で切ってしまうとそれ以上問題意識が起きなくなってしまう。


 それが円周率とはを、3月14日で思い出せれば、さてそれより細かい小数点以下の数字はどうなっているのかという疑問を持ち続けることができるだろう。「πの歴史」という本があるくらいだから、紀元前からの歴史があり、実は内容は深い。歴史の勉強でなくともこういう事は大事にするべきである。子供の頃には円周率は暗記するしかなかったが、どうやって円周率の数字は出てくるのか、どうして円の面積は「たて×よこ」ではないのに求めることができるのか、という素朴な疑問は、結局、大学で微積分を学ぶまでは解決しないことだった。

πの歴史 (ちくま学芸文庫)

πの歴史 (ちくま学芸文庫)

 日本では理数離れが言われる今、たわいもないことではあるが、なぜ円周率は3.14・・・になるのかという関心が、ひいては理数系への興味を持たせるためにもよいことであると思える。IEEEなどの学会も支援したというのも、さもありなんであろう。同時に、日本でも国会とか教育再生懇談会とやらで、もう少し気の利いたことを提言できてもよいのではないかと思えた。