よく見るテレビ番組はニュース・報道

 4月はいろいろ周囲がリニューアルされる季節がらである。あまり関心はないが、テレビ番組の改編などのそのうちの1つである。どの局も視聴率がすべてであるから、あのてこのての新番組をぶつけてくるが、視聴者の方は何をよく見るかというと、やっぱりニュースや報道番組であるようである。

朝も夜も、よく見る番組は「ニュース・報道」(CNET Japan)

 実際に朝はどの局もニュース、報道系の番組ばかりであるから当然であろうし、出勤前に主だったニュースだけを耳に入れておくというのが現実的なところだろうか。出勤して誰でも知っているニュースを知らないと、同僚の世間話で何を話しているのかわからなくて、トンチンカンな受け答えをするようなことがあったりもする。もっとも相手の方が知らなかったりすると、前日は仕事で遅かったか、徹夜に近い状態なのかと思ったりする。


 以前は電車の乗車時間が長かったこともあり、電車の中で新聞を読んだりした時期もあったが、今は駅で新聞を買ったりすることも少なくなった。テレビもざっと聞くだけ、読むのは圧倒的にネットのニュースが増えたからである。テレビのように自分にとっては不要な犯罪のニュースや、コメンテータの余計な話も省略して、関心のある項目のニュースだけ選ぶことができるからである。またテレビ局のサイトで必要なニュースだけを映像で見ることもできる。


 夜でもやはり報道系の番組の視聴率が高いという。今日1日の出来事をくつろぎながら見るにはちょうど良いかもしれない。しかし夜の報道番組はいつしかバラエティ番組化、ニュース批評番組化したようで感心しない。きっかけは久米宏や故・筑紫哲也の番組あたりだろうか。ニュースキャスターと称する人達が、ニュースに対して私見を述べるのが主な内容になっていったように思う。近年はこれがエスカレートして、キャスターだかコメンテータだか大学教授だか芸能人だかが入り乱れて、誰でもみな安易な政治評論家をしているようにしか思えない。それをあたかも世論であると言わんばかりである。悪く言えば、飲み屋での庶民の口上とたいした変わりはない。いや、インタビューされている庶民の方が、よほどまともなことを言っている場合も少なくない。


 ニュースとしての事実だけは知りたいが、それに続くコメントなどは別に聞きたくもないし、むしろ不愉快になることの方が多い。そうなるとテレビでなるべく客観的なニュースといえば、NHK BSニュースくらいだろうか。女性アナウンサーもクールっぽくて好感が持てる。ただ1時間おきのコンパクトなニュースなので、より詳しい内容を知りたいときは、ネットで同じニュースを探すということになる。


 テレビにとっても、視聴率が低下し続けている現状では、ニュース報道が最後の砦かもしれないが、それもネットにとって代わられつつあるのが現実だろう。新聞にいたってはすでにかなり深刻な状況であろう。テレビでのニュースといえば、リアルタイムでの広報性であろう。現場中継とか地震速報とか、先日のテポドン発射のニュースのようなものである。たまには先日のWBC中継のようなこともある。もっともテレビといっても、ワンセグがかなり活躍したので、やや意味は変わってきているかもしれない。


 ニュースにしろ、ドラマやバラエティ番組にしろ、もはや安易な作り物ではテレビを見たいと思う時代ではなくなっているのだろう。テレビで取り上げられていない自分にとってのニュースが、ネットの中には多く埋もれている可能性があるのである。