豚インフルエンザの起源は

 アジアで鳥インフルエンザが流行したと思ったら、今度は急にメキシコ、アメリカで「豚インフルエンザ」が発生し猛威をふるっている。豚インフルエンザとは、どういう起源なのか。

クローズアップ2009:豚インフル感染 起源特定「早急に」(毎日jp)
豚インフルエンザの正体は?鳥,ヒトのウイルス要素も(AFPBB 4.28)

 豚肉を食べても感染はしないというものの、インフルエンザというからには、人間同士でも空気感染するのだから脅威である。人間同士で感染するという意味では、鳥インフルエンザの場合と違って、もはや豚だけが問題ではなくなっている。
 実は数年前に鳥インフルエンザが流行したときに懸念されていたことである。鳥インフルエンザは今のところ人間に直接感染するものではないが、豚はある種の鳥インフルエンザには感染する。また人間のインフルエンザにも感染する。そうなると鳥、人間の両方のインフルエンザに感染した豚の体内で、両方のウイルスの掛け合わせによる突然変異を起きて、人間にも感染する新種のインフルエンザウイルスが出現する可能性があるということだった。


 今回の豚インフルエンザウイルスが果たしてそのようにして発生した新種なのかまだはっきりはしないが、そうだとすれば容易ならざる事態のようである。鳥、家畜、人間のいずれにも感染しうる強力なウイルスが生まれることになるからである。火を通せば、豚肉を食べても感染することはないというものの、いずれ熱への耐性もあるウイルスに変異しないとも限らない。


 以前に豚インフルエンザのことを初めて聞いたときには、鳥インフルエンザBSE、それに豚もとなれば、これは食べられる肉がなくなってしまうと思ったものだが、あまり冗談にも聞こえなくなってきている。