Office 2007 SP2日本語版が公開

 Office 2007 SP2日本語版が公開された。まだインストールして再起動前だが、比較的重要な機能が付け加わったという。ODFファイルへの変換機能とPDF文書への保存機能の標準化である。

Office 2007 SP2日本語版、29日に公開(ITmedia)

 29日公開とは言いながら、29日にはまだWindows Updateの中には更新ファイルを見つけられなかったが、30日に帰宅してみたらアップされていたようだ。385MBほどあるので、たまたま今日Windows Updateをかけていた人が時間がかかっていたはずである。



Windows UpdateのOffice SP2更新プログラム


 これまではOffice 2007からPDFに保存するにはMicrosoftサイトからアドオンをダウンロードして組み込む必要があったが、やっと標準になる。Adobeからクレームが付いてアドオンの形になったように聞いていたが、それがやっと和解したのだろうか。Office 2007のインターフェースやらOOXMLやらの不評はあるものの、PDF文書保存機能は重要だと思っていた。


 Office 2003までだと、PDF文書に保存するには別にAdobe Acrobatが必要だった。それがなければ何やらフリーソフトでも使うしかなかった。あるいは実際にやった経験のあることだがOpenOffice.orgにOfficeファイルを読み込んで、改めてPDF文書として保存するという手である。ただこれらは(Acrobatでさえも)、少し込み入ったOffice文書のフォントやら装飾が微妙にズレてしまうことがあったのが不満であった。これでOfficeの中だけでPDF文書まで完結させることができる。やはり世の中の標準文書はPDF文書である。それをOfficeのデフォルトで作成できなかったことの方がおかしいといえたからである。


 もう1つの重要な追加機能がODF(Open Document Format)である。これはMicrosoftオープンソースのOfficeを認めざるをえないことを示したものであろう。もともとODFの方が先にISO標準に認定されて、OOXMLの方は1度却下を経て、Microsoftのロビー活動の結果、やっと認められた経緯があった。まだ未定だったのは、2つのOffice文書の標準仕様の間の変換ツールをMicrosoft側とODF側のどちらが提供すべきかということだったはずである。フリーのツールなどはともかく、Microsoftが責任をもつことになったと解釈できる。自ら互換性を持たせることによって、ODF側へユーザが流出することをむしろ食い止めることになると判断したのかもしれない。これによって、Microsoft OfficeだけでODF文書の作成も完結することができるからである。


 今後のOffice 2007の活用方法としては、OpenOffice.orgやオンラインOfficeでラフな文書を作成しておきODF形式で保存し、最後はOffice 2007で読み込んで装飾の詳細を付けて「清書」してPDF文書として完成させる、というようなことが考えられそうである。さっそく関連部署にはOffice SP2へのアップデートを勧めることにしよう。


追記:SP2インストール後、確かにOfficeのファイル保存メニューに上記機能の項目が追加された。


Word2007のファイル保存メニュー