新型インフルエンザとWeb 2.0

 新型インフルエンザ(Swine Flu)の騒ぎは、世界にますます拡大してきそうである。厚労相が緊急に会見するなど、国内での感染者もいつ現れても不思議ではなさそうな状況にある。自分は花粉症の後遺症みたいになっているので、昨日もまだマスクを付けて外出したが、このまましばらくはマスクを付けたままの方がよさそうに思えてくる。
 そこにここ数日の間に、Webサイトによる新型インフルエンザ情報が提供されるようになっている。最新のWebサービスはリアル・ウイルスにどれだけ対抗していくことができるのだろうか。

大手Webサイト、豚インフル情報を提供(ITmedia)
Google,検索トレンドから豚インフル動向を追うサイト公開(ITmedia)

 GoogleTwitterFacebookWikipediaよく見ればWeb 2.0の代表格になるようなWebサービスばかりである。それだけ世の中に普及しているだけに、情報提供の効果も大きいと期待できるのだろう。新型インフルエンザの感染の広がりを見ていると、大変速い。飛行機や交通機関が発達して、また誰でも比較的容易に移動できる現代ならではである。またインフルエンザは、国や人種に拘わりなく誰に対しても「平等に」感染するから、誰にとっても大きな関心事である。その意味ではネットとWebは、従来のマスコミ以上にこうした事態には対応できやすいツールといえるかもしれない。


 マスコミは1次情報とはいえ、発表された事実の大本営発表しかできないが、ネットはユーザからの情報もきめ細かく集めることができる。デマ情報や煽りの懸念もあるが、双方向性ということは抑制能力もあることを、ネットは経験として獲得しているのではないかとも思う。いずれにしても新しいWebツールは、こうした事態のときにどれだけ世の中の役に立つことができるのかの実地試験をされているようなものである。


 ネットは国境を越えると言われてきたが、コンピュータウイルスばかりでなく、リアル・ウイルスも簡単に国境を越えることを改めて見せつけられたようである。ネットは情報提供と人間同士のコミュニケーションの場を提供できるだけだが、リアル・ウイルス対策にも有効に働くことに期待したい。