IGF GENOME9

 久しぶりに猪木のIGFの話題である。不況の影響もあってか、数ヶ月に1回の興行開催のペースだったものが、最近では4,5ヶ月に1回のペースになっている。なかなか、プロレスおよび格闘技興行の情勢は厳しいもののようである。

サップ、ジョシュに敗れるも野獣覚醒
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小川と高山に遺恨再燃 サップは野獣覚醒
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 今回はタッグマッチとはいえ、メインのメンツが大型ファイター同士なのが面白い。小川、ジョシュ・バーネットvs高山、ボブ・サップである。サップなど一時期の勢いがなくなっているとはいえ、大型ファイターの中に入れられれば、再び覚醒するかもしれないという期待もあったのだろう。そしてそれぞれがライバル関係や遺恨を持っている関係でもタッグなのも面白い。誰とも互いに仲間ではないである。


 小川vs高山は、日本人では数少ない、小川と体格的に釣り合う関係といえるし、今年に入ってライバル関係となってきている。小川vsバーネットもIGFのエースをめぐるライバル関係であるが、最近の格闘技の戦績や取り組み方では、バーネットの方に分がありそうである。猪木もバーネットの方を評価しているだろう。小川としては、それがあまり面白くないのかもしれない。それがIGFの出場条件などで、いろいろ不満となって出ているようだ。小川vsボブ・サップなどもストレートにぶつかれば、迫力があってかなり面白そうである。サップはかつて曙にも連勝している。小川は曙のようにそう簡単にはいかないだろう。しかし小川はサップを抑えこむことはできるだろうか。


 さて試合の方は、そのバーネットがサップを絞め落として勝つのだから、やはり強い。しかし現状では勝敗はたいした問題ではない。文句なしにぶつかりあいが面白いカードが提供できることだろう。その点、このタッグマッチは久しぶりに目を引く組み合わせといえる。最終的には一騎打ちだろうが、最初からそればかりやってしまってもカードの広がりがしにくい。タッグながらいろいろな組み合わせが見られるのがよいだろう。またタッグというのも、顔見せパフォーマンス的な面もあるが、プロレスならではの醍醐味である。


 それにしても存在感のあるレスラーは高齢化してしまって、団体数は多いもののスケールはどんどん縮小している。小川が言っていたように、なんだかんだ言いながらも、7、8千人の観客を呼べるだけの力があるのは猪木くらいかもしれない。カリスマ的選手が出現しないのなら、組み合わせの面白い複数の選手のカードによって観客を呼ぶしかないだろう。その点では面白いメインの組み合わせだったといえるだろう。先への抗争の流れもできあがっている。それでも人材不足の感は否めないが、もう少しIGFの動向に注目していくことにしよう