OperaとChromeはOffice Web Appsのサポート対象外に
Microsoftらしいといえばそうだが、Office Web Appsの実行環境として、OperaとGoogle Chromeはサポートの対象外とするそうである。まだ姿を現していないものが、サポートするしないといったところで仕方がないと思うが、あまりにも意図が見え見えすぎである。
マイクロソフト、欧州向けにIE非搭載のWindows 7を提供へ(COMPUTERWORLD.jp 6.12) マイクロソフト、「Opera」と「Chrome」は「Office Web Apps」のサポート対象外と明言
表面的には、どちらのブラウザも世界的にはシェアが小さいからという理由のようだが、Operaに関しては欧州でMicrosoftのWindowsとIEのバンドルを禁止するように訴えを起こし、結果的にWindows 7からはIEをプリインストールできなくなったという経緯がある。Googleは言わずとしれた、Google Docsに対抗するために、Office Web Appsを出さざるをえなくなった張本人だからである。少しでもGoogle Docsに利することは提供したくないという対抗意識の現われだろう。
とはいえ、Webアプリがブラウザに対応するというより、特殊なWebアプリでなく標準的なものであれば、通常の一定バージョン以上のブラウザならば、動作できて当然である。むしろこれまでのWebアプリの方が、IE6でなければ動作しないというものがあった。やっとそうしたプロプライエタリなやり方がなくなるのかと思いきや、また新たに、あえてIEでしかまともに動かないWebアプリを作ろうとするのだろうか。だとしたら、発想がデスクトップ時代の独占的ソフトウェアのやり方と変わっていないことになる。
現実的にはOffice Web Appsを使いたいためにGoogle Chromeを起動したがる人はそういないだろうし、LinuxでOffice Web Appsを使いたければ、FirefoxかSafariを起動するということになるだろう。前にも書いたが、重要なことはOfficeとGoogle Docsの文書の互換性なのであって、ブラウザの種類は二の次である。結局、Microsoftがつまらぬところで互換性にキズを設けたりすると、ブラウザのプラグインの形で誰かがそれを補うものを作ることになるだろう。それがオープンソースの世界のことでもあるのだが、Microsoftにとっては自社に利益があるところだけをオープンソースと呼んでいるようなところがあり、そこが違和感を感じるところなのである。