ヤンキース松井、マンモスな1発

 松井がヤンキースタジアム特大の17号同点ホームラン。久しぶりに豪快な1発が見られた。最近はDH専門にされて、なおかつ先発から外されることもしばしばなだけに、やや鬱憤を晴らした感じである。巨大な(マンモスな)1発(mammoth shot)とMLBサイトで紹介されていた(Matsuiとmammothをかけている?)。

Matsui's mammoth shot ties it in eighth-Video|MLB.com
松井秀、勝利呼び込む同点弾!ヤ軍逆転勝ち(SANSPO.COM)
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 今年でヤンキースとの契約が切れる松井。来年の契約は白紙のままだという。とにかくDHの立場では、限られた打席で打撃を見せつけるしかアピールすることができない。打率を重視すればホームランが減り、ホームランを狙えば打率が落ちるようにも思える。どちらかといえば、ヤンキースに来てからの松井はホームラン狙いを抑えて、打率と打点を重視してきたように見える。またそれがメジャーでレギュラーを維持する方策だったかもしれない。


 しかし手首の骨折と膝の手術とで、松井の選手生命も分岐点を迎えることになった。怪我からの快復した後、打撃にはそれほど影響はなかったと思えるが、外野守備では使ってもらえなくなった。無理に松井に守らせなくても、ヤンキースはいくらでも選手はいるだろうし、すぐにトレードで補強したりもする。選手の入れ替わりも早い。松井と同じように外野手やDHを務めたような選手、バーニー・ウィリアムスジアンビ、シェフィールド、アブレイユなどもすでにヤンキースにいない。そして現在はカブレラやデーモンに外野のポジションは奪われたままになっている。今後、仮にヤンキースに残留できたとしても、再び外野守備につくのは難しそうだ。また守備で期待できないことが、松井がヤンキースは今期限りの予想の理由にもなっている。


 もう今年がヤンキースでの最後の年だと腹を括るならば、残りの試合とほぼ確実なプレーオフで、大いに活躍して欲しい。今さら打率は気にせずに、集大成だと思ってホームラン攻勢を仕掛けてほしい。もともと松井ならメジャーでもシーズン40本は打てるだろうと思っていたが、なかなかチャンスがなかった。今年も40本は難しいだろうが、これから打ちまくれば30本台は可能だろう。日本人野手のメジャーリーガーも増えたとはいえ、やはりメジャーリーガーと遜色のないホームランを打てるのは松井しかいない。特に試合を決める場面での記憶に残る1発を打ってほしい。日本に比べれば、メジャーリーグは投手も勝負してくるから、これから重要な場面も増えてくるだろう。念願のワールドシリーズ制覇に向けて突き進んでほしい。


 さて来年の噂の域ではあるが、阪神が獲得に動くという話もある。確かに松井は子供の頃は阪神ファンだった(掛布のファンだった?)というが、ここから阪神入りというのは阪神ファンは喜ぶかもしれないが、なんだかなあである。マイナーで干されている井川が出戻りの可能性はあるだろう。現実的には、トーリ監督のいるドジャースに移籍というのはあるかもしれない。ただ、ナ・リーグにはDHがないから、再び外野守備が必要になる。松井本人はやる気だろうが、果たして球団が外野手として使えると判断してくれるかどうかである。ヤンキース最終年でワールドシリーズを制覇して、トーリ監督の元でのドジャースで再びワールドシリーズ制覇を狙うのもいいかもしれない。他の選手はともかく、松井に関しては阪神に入るのも、巨人に帰ってくるのも現実的ではないだろう。