イチロー9年連続200安打のメジャー新記録

 イチローがメジャー2000本安打に続き、メジャー史上初の9年連続200安打の新記録を達成した。記録まじかになってのけがでの離脱など、やや、やきもきさせたが、達成してみればイチローだから当然という感じなのだから凄い。

イチローの「9年連続」は不滅の記録か(nikkansports.com)
イチロー、世紀の偉業…アーリントン沸く(YOMIURI ONLINE)
Ichiro gets 200 hits for ninth year in a row-Video(MLB.com)
イチロー200本安打の瞬間、動画で公開中..(ITmedia)
519200 PROJECT(NTT Group)

 なにしろ8年連続のメジャー記録は、100年以上も前の1900年(明治33年)前後にわたるものだという。1900年あたりのアメリカといえば、ライト兄弟が飛行機で大西洋を横断した頃だったり、アメリカン・リーグが結成された頃でもあるらしい。記録が残っている方が不思議なくらいの時代であり、今のメジャーリーガーも知らなかったような記録だったかもしれない。そういえば年間最多安打記録のジョージ・シスラーの記録も1920年のものだった。


 当時とは同じメジャーリーグといっても試合数とか全く環境も違うので、単純な記録の比較はできないものであるが、どんな時代であれ、誰もが達成できるものではないことが、忘れ去られていたほどの記録という事実に裏付けられているような気がする。医学や科学的トレーニングも進歩している時代に選手寿命も伸びていることからも、まだこの先、怪我さえなければ、どれだけ記録を伸ばすことができるかも予測もできない。


 何より数字的なものもさることながら、イチローなら当然」という見方が定着してしまっているところが偉大なところだろう。イチローは内野安打が多いとか、ホームランが少ない、というやっかみも無きにしもあらずだが、それは打つのはホームランしか意味がない、投手は完投勝ちしか意味がない、ということと同じだろう。近代野球ではポジションでの役割が分業化されているからこそのチームプレーであるからである。1番打者としての出塁の役割を考えれば、安打数が一番多いというのは最も価値のあることである。


 しかし年間200安打と簡単には言うが、メジャーでは160試合あるとはいえ、フル出場したとしても毎試合平均1安打では追いつかない計算である。必ず複数安打の試合が一定の割合でなければならない。イチローに限っていえば、1試合2安打以上は当たり前、1安打だけだとむしろ不調ではないかと思われるくらいだから、あきれるくらいである。ふと思うのは「こんなにヒットばかり打って飽きることはないのだろうか」と。たまにはピッチャーをやりたいなどと思わないだろうかと(実際、日本のオールスター戦でやった)。


 イチローは、まだよほどのことがない限り、このままマリナーズで記録を更新し続けるだろう。さて、気になるのは松井の今後の方である。