Yahoo!JapanがビジネスSNS「CU」を終了

Yahoo!Japanのネットサービスのベータ版の1つであったビジネスSNS「CU」が、事業化の見通しが立たずに終了するという。そもそも、「CU」というSNSのことは知らなかった。完全招待制だそうだから誰からか招待されなければ、特に気に留めることがなかったからだろう。Yahoo!もYahoo!Briefcaseなど、うまくいかずに終了するサービスが目だってきているような気もするが、SNSがうまくいかないとは、どういうことなのだろうか。

ヤフー、ビジネスSNS「CU」終了--事業化の見通しつかず(CNET Japan)
日本版LinkedInとなるか--ヤフーがビジネスSNS「CU」を開始(2008.11.4)

 SNSといえば、会員数だけからすれば、あちらのものではFacebookMySpace、国内ではmixiGREEといったところだろうか。ただビジネスSNSというと、やや趣が異なる。一般向けのSNSは社交、グループ、趣味の集まりのようなイメージだが、ビジネスでは自己紹介、履歴書公開のWeb版のように使うようである。今のご時勢がら、失業している人が増えて、職探しや転職のためにSNSに自分のプロフィール、経歴をアップしておき、一方で求人側がそれを見ながらスカウトするという形である。いかにも自己アピールやネゴシエーションが得意なアメリカ的なやり方のようにも感じる。日本だと中身以前に、どうしてもコネや縁故など根回しに頼って職やポストを探したがる。もし求職、求人のためのビジネスSNSにしようとしていたのだったら、日本の中ではもう少し工夫が必要だったのではないだろうか。


 とにかくSNSは、何をするにしてもまず人が集まらなければ、話にならないようだ。1年に1万人を目指したものの、現状の6500人程度では(全員がアクティブユーザだとしても)集客力があるとはいえない。1つには、今時の招待制にの原因があっただろう。SNSというものが出現して、とにかく会員登録だけしておきたいという時期は過ぎ去ったように思える。mixiでさえ、招待制を事実上やめたくらいである。mixiがやり始めた頃は、まだよくはわからないSNSに対する期待が大きく、招待状が届くということに価値があったわけである。しかし会員数が増大して登録が行き渡ると、もはや招待状そのものに希少価値はなくなったわけである。そして登録だけはした人に対して、実際のアクティブユーザも固定化されるようになる。アクティブユーザ数/登録ユーザ数は、ほぼ一定となって飽和状態になっていると思われる。分母を大きくしたいものの、その伸びは頭打ちになっているのである。


 そこにmixiなどに比べて後発であるCUが、改めて招待制を追随したSNSで会員を募集してみても、もう時代が変わってしまっているから食指が動かないのだろう。SNSというサービスではYahoo!だけでなく、Googleも成功しているとはいえない。Webサービスとしては、GoogleYahoo!はデパートやスーパーで、FacebookMyspaceは専門店みたいなものである。前者にとっては、SNSは自サイトに呼び込むための1つの手段に過ぎないが、それに対して後者は、SNSそのものが提供サービスだからである。モチはモチ屋(専門サイト)にまかせた方がよい、という結果になったのかもしれない。