10年間のネットの重大出来事10件

 毎年お約束の、この1年の10大出来事や流行語の発表の時節になっていているが、ネットの世界の1年ではなく、10年間の中での10大出来事が発表になっている。だが変化が速過ぎるせいか米国の視点からのせいか、あまりピンとこない。

ネット界のアカデミー賞「Webby Awards」、この10年間の重大出来事10件を発表(CNET Japan)

 ネットといっても、どういう切り口で、どの分野の将来に対して大きな影響を与えたかによって、採り上げる出来事も変わってくるし、そもそも出来事が多すぎて10件程度に絞るのも難しい。往々にしてありがちなのは、ごく最近の出来事の方が記憶に新しいせいで、特に重要に感じられてしまうことである。twitterが10大出来事の1つというのは、まさにそうである気がする。正確に10個でなくても、「将来にわたって」影響を与えているであろうことを、順不同であらためて採り上げてみよう。


Googleの発展
この10年というスパンで見れば、ピッタリ当てはまるのはGoogleだろう。ネットやWeb、あるいはWeb2.0といえばGoogleが連想されてしまう。


ブログの発明
Webのステージを進めたきっかけはブログが出現したことである。その後のSNSなどに繋がる。


Wikipedia集合知
ブログはあくまで個の集合だが、Wikiはネットによる集合知というものを広く世間に認識させたのではないか。それまでの、百科事典は一部の権威ある人だけが作るもの、という概念を変えた。


YouTubeの出現
Web上の動画を一気に進化させることになった。それまであまり注目されていなかったFlash動画が主流になったことも大きい。また大統領選など政治との結びつきも大きくなった。


Ajaxの登場とJavaScriptの復活
GoogleGoogle MapsAjaxを用いたことによって、以後JavaScriptWebサービスにとって必須のものになる。動的Webページに革新を与えた。


オンラインOfficeの出現
デスクトップアプリケーションからWebサービスへと変化していくことを象徴したのが、オンラインOfficeの出現であろう。ついにMicrosoftまでWeb版のOfficeを出さざるをえなくなっている。今後ビジネスへの影響が大きくなるだろう。


iPhoneAndroidの出現
ネットに結びついて携帯がスマートフォンへと進化することを象徴するものになっている。


ネットブックの出現
不況の生んだ鬼っ子というわけではないだろうが、価格破壊とクライアントとしてはノートPCどころかPC全体のあり方に影響を与えることになるかもしれない。


DoS攻撃の出現
DoS攻撃はネットのセキュリティへの意識を根本的に変えたといえる。それまではウイルスにしろハッキングにしろターゲットはあくまでローカルのマシンだったが、これ以後はターゲットは全く別のところにあることになった。セキュリティ対策は被害者ではなく、加害者になることを防ぐ必要に迫られることになった。


光回線の普及
20年前から見れば、確実に10年普及が早まった。インターネットの普及がなければ、いまだにパソコン通信と静止画のテレビ電話だったかもしれない。


クラウドコンピューティングの登場
歴史的には集中・分散を繰り返してきたコンピュータだが、いまWebによって再び集中が始まろうとしている。ここ当分はクラウドを中心にしてネットは回っていくだろう。