新型インフル、10人に1人が感染

 一向に流行が治まる気配がない新型インフルエンザによる死亡者が、とうとう100人にも達したという。ワクチン接種が進んできているとはいえ、効果と副作用の不安も消えないようである。

新型インフル死亡、100人に=「高齢者の感染、警戒必要」−厚労省(jijicom)
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 死者100人に達したということも衝撃的だが、感染者のこれまでの累計が約1264万人に達しており、なんとすでに国民の10人に1人が感染してしまったことになる。亡くなった人はお気の毒としか言いようがないが、10人に1人の方が由々しき数字であるような気がする。まだ冬に入ったばかりなのと、季節にも関係なさそうな新型インフルエンザで、この先まだまだ感染者数が増えていきそうな勢いなので、もはや他人事でなくなっており憂鬱な気分になる。


 これまでの感染者の傾向としては、10歳以下の子どもと持病持ちの高齢者が多いようである。子どもの方は持病も何もないケースが増えているそうだから、現代の子どもは抵抗力がない無菌培養のような育ち方になっているせいかもしれない。高齢者では、新型インフルエンザは持病による合併症を誘発する引き金になっているようである。どちらもワクチンが優先して接種されるものの、ワクチンの副作用のためか死に至っているケースもあるようであり、全くの本末転倒である。


  今となっては前政権の舛添厚労省の頃に、空港で検疫をやっていたが、あれはいったい何だったのだとさえ思える。ワクチンだけは接種が始まったものの、国レベルではもう事実上は打つ手なしの状態になっているともいえる。自分だけが感染しなければいいとか、感染しても治ればよいという考え方もあるが、自分がウイルスを移したと思われる人が不幸にも亡くなるようなことを考えるとぞっとする。国民としては家族とその周辺が無事のままでいることを願うしかない。世の中全般には、これだけ感染が広がると、より凶悪なウイルスに変異しないかが心配になる。いつ頃治まるという見通しが立たないことが不気味でもある。


 個人としては、こまめな予防を心がけるしかない。マスクの効用については効く効かないの議論があったせいか、装着する人としない人がはっきり分かれているようである。また、むしろ効果があるのは手洗いや消毒ではないかという話もある。最近はどこでも建物の入口に置いてあるアルコールだが、これも消毒する人が少なくなっている気がする。少なくとも家に帰ったら、石鹸で手洗いをする必要はあるだろう。感染者の直接の飛沫よりは、感染者が触れた物に自分も手で触れて、無意識のうちに口周辺にもっていくことによって感染する可能性の方が高いといえるかもしれないからである。たとえば感染者が咳やくしゃみをするときに手を口にやると、ウイルスが手に付き、それで電車のつり輪とかドアのノブに触れる。その直後に自分もそれらに触れれば、ウイルスは自分にとり付くからである。


 テレビで聞いた知識によれば、ウイルス表面はザラザラしていて皮膚に付着しやすいようになっているが、手洗いによってそのウイルスの表面もツルツルになり、仮に体内に入ったとしても付着できずに、そのまま通り抜けて体外に排出されてしまうという話だった。少し可笑しな話ではあるが、意外にこちらの方が予防効果は高いのかもしれない。というわけで、最近は意識して手洗いとうがいを励行するようにしている。


 コンピュータウイルスと同じく、自分自身が感染被害者になることよりも、知らないうちに自分が加害者になることを避けたいからである。