携帯電話に脳腫瘍リスク?

 携帯電話の普及によって、街中おびただしいほどの携帯の電磁波が飛び交っているはずだが、人体への影響ははっきりとはしない。そんな中、米国のある州では脳腫瘍リスクの注意のラベルを貼ることを義務付ける法案が提出されたという。

「携帯電話には脳腫瘍リスクがあります」警告ラベル義務付け、米州で提案(ITmedia)

 電波が脳を通り抜けることによって脳腫瘍が引き起こされるということか、半ばネタのような話ではある。ヘッドギアを付けて修行するような某宗教団体を思い出した。なにやら脳波に影響しそうな気はしないではもないが、脳腫瘍とは穏やかではない。医学的に証明するのも難しいだろう。


 自分は左の胸ポケットに携帯電話をずっと入れたままにしておくと、心臓に影響するのではないかと心配になったりする。電車の優先席近くの携帯電話のマナーで「ペースメーカーに影響するので電源はお切り下さい」とよく放送が流れる。また病院内では精密機器の動作に影響するので全面禁止とされる。しかし影響する可能性があるというだけで、実際微弱な電波で誤動作を引き起こしたという話は聞いたことがない。


 電磁波の影響といえば、かつてのブラウン管モニターが人体に与える影響はいろいろと言われたものである。実際電磁波を計測できる機器を近づけてみたことがあるが、大きく反応した。それに対して液晶モニターではほとんど反応しなかった。果たして携帯電話の電磁波はどれだけなのだろうか。いずれにしても、たばこが「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」くらいならわかるが「脳腫瘍の恐れがありますので携帯電話は体に近づけないようにしましょう」などというわけにはいかないだろう。


 そういえば携帯電話が普及しだした頃「あんなもの、難聴になるから持たない」と言った人がいたが、そちらの方が現実的な心配かもしれない。