Facebookの日本からのアクセスが拡大

 国内のSNSといえばmixiが登場以来圧倒的だっだが、ここにきて日本語版登場以降Facebookへのアクセスが急増しているという。SNSも新しい段階に入ることになるだろうか。

Facebook、日本からのアクセス拡大 UUが1年で4倍に(ITmedia)
「Facebook」の訪問者が日本でも急増、2010年は注目の存在に(INTERNET Watch)

 Facebookを訪問する人が何を期待しているかである。日本にはmixiがあって米国ではないから、単純に日本と米国のFacebook利用者数を比較しても、あまり意味はないだろう。

 むしろmixi経験者が、今度はFacebookの利用を模索しているという方が現実的なのかもしれない。mixiは当初のイメージはネットで不特定多数の友人を見つけるということがあった。そして招待制だったことが、何かそこに参加することが特別な価値があるように思わせたことであった。特に若い人にはそれが魅力に映ったかもしれない。しかしネットとはいえ、そこは人間関係であるから飽きがきたり嫌気がさして離れた人も多いだろう。しかしネットでの人間関係を知った人は、今度は新しい関係を求めてFacebookにアクセスする人が増えているのかもしれない。そこではmixiと同じことを求めているわけではないのだろう。

 Facebookはもともと実名登録が基本だった。必須ではないだろうが、日本の国内事情に合うかどうかは議論のあるところである。しかし目的を限定するならば、これは意味のあることになる。趣味だけに利用するのでなく、むしろビジネス利用である。米国ではすでに求職、転職の目的でそうであるように、この不況の中での就職活動(就活)にFacebookを利用するのである。テレビのニュースでは、現在いかに就職難であることを強調ために、この年末になってもまだ内定が取れない大学4年生が「100社以上回ってもまだ内定が取れない」ということだった。大変さは理解できるが、学生、企業双方ともきわめて無駄なことをやっているとしか思えない。自分も経験があるが、同じような履歴書を何通も書くことは苦痛でしかない。それが実を結ぶことならともかく「どうせ今回もダメだろうな」と思いつつ書くのは、自分の経歴が嫌になってくるだけである。何も生産的仕事ではない。大学4年生だったらそんな時間は、卒業論文の制作に没頭するのが本懐であるし、それは将来にも残ることでもある。


 企業でもネットを利用できないところは皆無なのだから、それならば履歴書や自己アピールなどはFacebookなりに載せるだけで企業、学生とも十分ではないか。実名だから一般公開する必要もなく、学生本人がアプライしようとする企業に対してだけプロフィールや自己アピールを公開すればよい。それをじっくり検討した企業が可能性のありそうな学生だけと直接面接すればよい。相も変わらず、紙の履歴書を郵送か持参して、面接時に複数の面接者がそのコピーを初めて見ながら面接するというスタイルは、少なくとも採用がきわめて少なっているこの不況時にもはや古すぎるし、事業仕分けではないが双方に「無駄」が多すぎる。Facebookをうまく使えるというだけでも、双方の情報リテラシーが試されることになるだろう。


 自分はSNSはビジネス利用こそ本命であり、重要なメールそのものも次第にSNSに移行していく方がよいとも考えるのだが、まずは限られた部分から取り入れることが必要であろう。