2009年インターネット10大ニュース

 年末恒例の世間の10大ニュースならぬ、ネットでアクセス数の多かった10大ニュースが採り上げられているので、自分なりに批評してみることにする。集計する組織やサイトによって順位はそれぞれだろうが、ほぼ同様の話題がベスト10には登場してくるだろう。

読者が選ぶ2009年インターネット10大ニュース 結果発表(INTERNET Watch)

1. MS、「Windows 7」発売。「ユーザーの声」をもとにVistaを改善
Windows 7に期待というよりも、不評からVistaを見送ったところが多く、それでもいよいよXPの耐用年数も過ぎてきているということで、Windows 7に移行せざるをえない段階になっているからだろう。タイミング的には来春の入れ替えのために、調査や評価に動かざるをえないということだろう。


2. 「Twitter」流行の波が日本にも。著名人の利用や関連サービス発表が相次ぐ
半年前までは、日本の政治家でTwitterをやっているのは2人だけということだったが、ついに鳩山首相も年明けからTwitterで発信をするという。これも大統領就任以前からネットを活用しているオバマ大統領の影響もあるのだろう。新聞にも「首相の1日」のような欄で1日のスケジュールが載っていたりするから、そのリアルタイム版のような感じになるのかもしれない。単なる流行というよりも、政治利用されたという印象が残った1年だった。


3. 「Winny」開発者の金子氏、二審・大阪高裁で逆転無罪判決
これは多くの人が指摘していたように、初めから無理のある起訴だったろう。警察や検察が社会正義を振りかざすにも、行き過ぎの感がある。著作権権利者団体はピリピリしているのかもしれないが、「気に入らない」ことと有罪であることは別の話である。全く違うことだが、最近の鳩山・小沢献金疑惑だのも検察はご執心だが、庶民の感覚からすれば、直接の被害者が誰なのかわからない疑惑よりも、このご時勢でまだ解決できていない凶悪事件を優先して、一刻も早く解決してほしいものだ。


4. Google、「Google日本語入力」ベータ版公開
自分も違和感なく使っているがなかなかパフォーマンスは良好である。「辞書にある漢字」というより「よく使われる言葉」が優先して候補が出てくるところは、「漢字変換」を「検索」に置き換えたところがミソであった。またネットと連動して変換する発想もGoogleらしい。個人的にはもう、従来のかな漢字変換に戻れないかもしれない。


5. 「ダウンロード違法化」などが盛り込まれた改正著作権法が成立
ネットの普及には逆行するような法規制が次々となされているような感がする。これも3.と同じような精神を感じてしまう。ネットでは一部の悪人も利用するから、全体を規制してしまえというようなものである。モラルの部分と違法の部分の線引きは難しいが、声が大きい方(権利者団体等)に引きずられて、規制ばかり強めようとするように感じられた。


6. 「UQ WiMAX」「WILLCOM CORE XGP」など、高速モバイルサービスが開始
自分はPHSをドコモに勝手に廃止されて以来、ノートPCにカードを挿しての通信はご無沙汰になってしまった。ドコモには事実上、代替サービスがないからである。PHSでの高速通信ではWILLCOMあたりには頑張ってほしい。


7. アップル、「iPhone 3GS」発売。最新OSでコピー&ペーストにも対応
アップルは不況にも拘わらず、過去最高の利益を挙げたとかで、iPhoneの成功は凄いとしかいいようがない。ただ日本に限って見れば、携帯事情が違うためか、必ずしも大きなブームとはいえない。iPodと合わせてどうかというところだろうか。


8. Google、「Google Chrome OS」プロジェクト公開。製品登場は2010年後半
正式登場の1年も前から宣伝するGoolgeもだいぶやり方が変わってきたようにも思える。しかしChrome OSは単にOSだけの問題ではなく、クラウドネットブック、Webアプリ、Androidなど多くのことがからむことになりそうで、その動向は当面注目の的となる。


9. MS、無料セキュリティソフト「Security Essentials」を提供
これはMicrosoftとしては遅かったくらいのことであるが、無償ながらなかなか使い勝手はよい。ネットブックなどにも真っ先にインストールしてある。マルウェア対策に限定したものと考えるならば、有償のセキュリティ対策ソフトと共存させても特に問題はなさそうである。「Webウイルス」も出現している中、インストールしておいても損はないだろう。


10. 医薬品の通販に規制。ネットでの新規購入はできなくなり、国に対して行政訴訟
これもネット規制の一環だろうか。ネットばかりではなく、行政の許認可と業界の利権もからんでいるのでよくはわからない。