浅田真央が復活、五輪代表に決定

 五輪に直接繋がる今年は、浅田真央は序盤から不調とされ、五輪代表さえ危ういとされていた。今回の全日本選手権が五輪代表を決める最後のチャンスとされ、ここで優勝しなければ代表は難しいとされていた。しかし終わってみれば、全日本4連覇、やはり日本女子フィギュアでは第一人者であることを国内有力選手が揃った大会で、改めて見せつけた形になった。4年前は年齢制限で出場できなかった五輪に、今回は日本代表のトップとして挑むことになった。

浅田真央、初の五輪代表に決定/フィギュア(SANSPO.COM)
真央、初の五輪 鈴木も念願の切符/フィギュア
真央、スランプ乗り越え復活!/フィギュア
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 いつのまにか日本のフィギュアは、ずいぶんと層が厚くなった。代表になるにも世界選手権で入賞するよりも難しいくらいになっている。先に代表に決まっていた安藤でさえ4位に沈み、代表を争う鈴木、中野が2位、3位に僅差で食い込む結果となった。さらにベテランとなった村主や浅田2世といわれる村上まで台頭してきているのだから、1歩違えば誰が代表になっていても不思議ではなかったくらいである。これでさらに、荒川静香も引退していなかったとしたら、どうなっていたことだろうか。


 さてスランプと言われたことは、序盤の世界戦は緒戦は2位だったものの直後の2戦目が5位だったために、その後のグランプリファイナルに出番がなくなってしまったことによる。技術的なスランプというより、五輪が迫ってきたことで周囲からかかる期待のプレッシャーによる精神的なものが大きかったのだろう。4年前とは違って、すでに日本の第一人者になっているからこそのプレッシャーだったのだろう。すでに多くのスポンサーも付き、万が一代表を逃すようなことがあれば、スポンサーへの影響は計り知れない。フィギュアスケートはアマチュアとはいえ、立場的はすでにプロスポーツ選手と同様であり、WBCでのイチローや、ワールドシリーズでの松井並みに国民の期待がかかっているといっても過言ではないだろう。五輪代表になっても、本当に金メダルを狙えるのは浅田だと、みな認識しているからだろう。マスコミも浅田には贔屓目で報道しているように見える。


 男子もいつのまにかレベルが上がり、代表3人の高橋、織田、小塚ともにメダルを狙える立場にいる。昔は男子フィギュアの代表などあまり話題になることもなかった。女子も事実上、伊藤みどりの独り舞台だった。その伊藤の代名詞が女子では不可能だと言われたトリプル・アクセルだった。それを受け継いで進化させているのが浅田だともいえるだろう。ぜひ五輪の舞台でもこれを決めることが、金メダルにそのまま繋がることになるだろう。