世界PC市場は20%を超える伸び

 徐々に景気回復が影響したか、Windows 7の出荷が影響したか、世界のPC市場は今年第2四半期は20%を超える伸び率を記録したという。その伸びの内容はかつてとはだいぶ異なってきているようである。

世界PC市場、20%超える伸び ASUS躍進(ITmedia)

 メーカー別ではAcerLenovoASUSなど台湾、中国勢が目に付く。PC全体となっているが、少なくとも近年のコンシューマ向けのPC市場は明らかに安価なノートPC、ネットブックが牽引しているだろう。ただ単価が小さくなっただけに出荷台数は増えても利益は出にくい「薄利多売」の市場になっている傾向が強いだろう。HPやDellは、まだかろうじてPCサーバーなどエンタープライズ市場で利益を上げているといえそうである。


 かつては同じスペックでもデスクトップ機よりもノートPCの方が「精密だから生産コストがかかる?」という理由からか、高価なものだった。デスクトップ機以上にノートPCの方が「パーソナル」という感覚が強く、ある意味良いノートOCの機種を所有している人がうらやましくも思えたものである。現在は安いPCを手に入れたければノートPCかネットブックという考え方になっている。


 それはネットブック登場によるPCの「価格破壊」か「デフレ化」によって、コンシューマにはノートPCの方が安価という意識の方が強くなったようである。どちらかといえばHPやDellは従来からのデスクトップ機メーカー、新興のメーカーはノートPCとネットブックでのし上がったメーカーというイメージが強い。デスクトップ機からノートPCへの流れで、実際にこれらの力関係はPCの製造、販売にだけ限ってみれば逆転しているのかもしれない。


 この流れはiPadを追うタブレットPCの製造、販売へと続いていきそうである。もはやデスクトップ機はPCサーバー用途中心の市場に特化され、タブレットPCはノートPC市場と競合する市場となっっていくかもしれない。いつの時代も「PCを買いたいのだけれど、何かお薦めのPCはありませんか」は難しい質問ではある。