暗黒物質(ダークマター)

 ときどき(しょっちゅうか)「注目キーワード」に意味不明のものが現れるが、今回は「暗黒物質」だとか。なんだこれはと、はてなダイアリーのキーワードを調べると、ダークマターのことで「2ちゃんねるきっての問題板」とか、次に「ファイナルファンタジーシリーズに登場するナゾのアイテム」だそうだ。うーん、ゲームの内容までは知らんなあ。そして最後が宇宙の話。なんだ、一番まともな意味のものが話題になっているのか。愛媛大などのグループがNatureに観測結果を発表するのだとか。


 ダークマターという言葉は20年前くらいに聞いて知っている。宇宙論では昔から知られていることのようだが、宇宙論素粒子論が究極で同じ基礎になってきたことから、改めて注目されるようになったのだと思う。宇宙論といえば一般相対性理論の世界の話。一般の人にはアインシュタインの名前とともに、最新の科学のように思われるかもしれないが、もはやニュートンの次くらいに古典的な話だろう。
 ダークマターは重力以外には影響せず電磁波も出さないので、質量はあるが存在が見えない物質だという。ただ大きな重力が存在すると、近くを通る光の進路が僅かに曲げられるので、間接的にその存在が大きな望遠鏡で確認できるのだろう。これが重力レンズ効果というか空間の歪みで、一般相対性理論の検証そのものにもなった話だろう。つまり一般相対性理論の枠を出ていない。だからダークマターとは、重力以外何も出てこれない、一般相対性理論が予言するブラックホールのできそこないみたいなものとも思える。
 しかし具体的に見えない物質とは一体成分は何なのかというと、宇宙の起源に関係して素粒子論とつじつまが合わなければならない。直接観測できないのだから、これはまだまだ謎の話だろう。
 昔から相対性理論というと、SF的な関心を引くのは今でも変わらないだろう。「日本人の一番好きな天才」もアインシュタインなのだそうだし、どこかの新興宗教みたいに「ナントカ波で攻撃されている」と言うのだったら、重力波で攻撃されている」ダークマターを仕掛けられた」とか言った方が「少しは知っとるなコイツ」くらいに思われるだろう。