人間関係と口コミを数学モデル化

 詳しい内容はわからなくて、ネット記事だけからの推測であるが、人間関係の数学モデル化の研究をNEC東京大学が共同で行ったという。高度な話か、すでに似たような話がありそうな気もするが、勝手な推論を書くことにする。

人間関係を数学モデル化、口コミをシミュレーション NECと東大が共同開発(ITmedia)

 人間関係であれ、言葉や概念の関係であれ、相互に影響しあうものは、ノードとリンクからなるネットワークで表される。世界中のインターネットのサイトも、神経回路のニューラルネットも、毛細血管のネットワークなどもそうかもしれない。そして、それぞれのノードとリンクにはなんらかの属性が付随する。なるべくこれらが単純化できれば、数学モデルにしやすい。


 あるサイトの属性の変化が、いかに他のサイトの属性の変化へと伝播するかどうかを数学的に表されるか、あるいはシミュレーションできるかである。
 たとえば、その伝播を水の流れや電気の伝導と考えたり、あるいは伝染病の広がりなどを考えることができる。これはパーコレーション(浸透理論)の話になる。噂の流布なども同様であるし、インターネットの中でのウイルス感染もそうかもしれない。


 人間関係も、人間をノード、親密度や対立関係をリンクで表して、その間の口コミの伝播を考える話は作れそうな気はする。ただこのこうした理論はあくまで平均的、統計的な結果だけを表すのであって、個々のノードなりのふるまいを予測するものではないだろう。あくまで集団の効果について何かを言えるということだろう。


 これらの話は、一般的にネットワークダイナミクスという分野で横断的にカバーできるものとなりそうである。ちなみにインターネットのネットワークトポロジーは、ちょうど毛細血管のようにフラクタル図形になっているという見方もある。