Google App Engineとは何か

 オープンソースが主流となっている現在、各種のAPIGoogleYahoo!などから公開されている。今度はGoogleのインフラを使ってWebアプリケーションを開発できるGoogle App Engineが公開されるという。このEngineの公開が持つ意味は何なのだろうか。

「Google App Engine」の登場とPaaS--Web 2.5がもたらす変化 (CNET Japan)
グーグル、「App Engine」を発表--オンラインアプリケーション開発用にインフラ提供
Googleのインフラでアプリを動かせる「Google App Engine」(ITmedia)

 Google AppsGoogleのWeb上のOfficeサービスを含むアプリケーションの総称である。これはWebもソフトウェアもすべてGoogleの既製のものが提供される。またオープンソースのサーバアプリケーションは、DNS、メール、Webサーバなどをはじめ自サーバ機にインストールして運用することができた。
 それに対して、Google App Engineは、Googleのインフラ(各種サーバ、データベース、ストレージ、ネットワークの設定)上に、独自のWebアプリケーションを設置し実行させることができる。これをPaaS(Platform as a Service)と呼ぶようである。またこのような方向性をWeb2.5と名づけたい人もいるようである(Web2.0の二番煎じの名前はあまり感心しないが)。


 一言でいえば、Googleが一般向けに提供するクラウドコンピューティングの第1弾といったところだろう。一般サーバ構築者(というかどうか)にとっては、目的のサーバの運用のために必要な雑務からは解放され、サーバアプリの内容にだけ専念できるようになるということだろう。特にセキュリティ面でのサーバ設置、運用の負担は年々重くなっている。サーバを運用するだけの体力のない組織では、すでに限界を超えているとも思われるが、何か大きな事件でも発生しない限り、綱渡り的に運用しているというのが現実である気がする。


 そんな中で、このような形のクラウドが普及してくると、ますます内部ネットは自サーバ群を運用するよりは、Googleなどの外部にクラウドを通じて出してしまった方が、安全で効率もよいということに果たしてなっていくのだろうか。「手元に置いておけば安全」という常識が覆り、「インターネットの雲の向こうに預けてしまった方が安全」ということなのか。まだまだクラウドコンピューティングに発想を転換させていくには時間がかかりそうである。