Amazonのクラウドサービス

 AmazonクラウドコンピューティングサービスであるAmazon EC2が正式サービスとなり、同時にWindows Serverサービスも始めたという。サーバーとしてはWindowsは特に関心はないが、クラウドサービスとして先端を行っていることは間違いなさそうだ。

Amazonとクラウドコンピューティング (ITmedia)
Amazonのクラウドサービス「EC2」がWindows対応に

 そもそもAmazonクラウドコンピューティングに力を入れていることに不思議な感じを受けたものだが、Amazonのシステムの開発の副産物だったというのが真相らしい。Amazonがネット書店を始めて以来、配送その他でうまくいくはずがないと思われてから早10年以上経ったが、今やネットショッピングの先駆けの存在となり、書籍やDVDをAmazonから買うということもごく普通のことになった。そのことを考えていけば、現在クラウドに提供できるインフラを持ち合わせていることも当然なのかもしれない。


 クラウドの概念そのものがいまだにいろいろ議論があるところだが、Amazonの場合は比較的わかりやすいように思える。どちらかといえばレンタルサーバーのイメージに近い。ただレンタルサーバーの場合には、あくまで1台のサーバーをバーチャルホストとして間借りするだけだが、クラウドでははるかに大きな資源をサーバー仮想化によって利用することができる。1時間0.1ドルというから事実上1日240円、月7200円強くらいの価格設定である。これを高いとみるか安いとみるかだが、サーバー群の諸々の維持費のことを考えれば、はるかに安いことになるだろう。


 ただ既存の稼動しているサーバー群をスムースに移行させられるかどうかとなると多くの問題を含むだけに、時間はかかることになるだろう。可能性としては、新しい事業には初めからクラウドで取り組むということがよさそうに思える。古い発想を引きずらないで、新しく取り掛かることに限るだろう。それがうまくいけば、その経験を生かして既存のサーバー群の移行を考えていけばよさそうである。


 単に与えられたネットサービスを利用するだけではなく、Amazonクラウド開発環境としては、どれだけ自由に行うことができるかが興味深いところではある。何しろ通常のサーバーのスペックにあまりこだわる必要がない。どちらかといえばむしろ非力のマシンをLinuxサーバーに転用していたことが多かったからである。月7200円をどこかからひねり出して、いろいろとやってみたい気になる。