ゲームもクラウド化へ

 なんとなくコロンブスの卵という気もする。ゲーム開発とゲームプレイにクラウドを使うという時代になりそうである。ゲームソフトはそれなりにスペックの高いCPUやグラフィック処理を必要とする。これをクラウドでやってしまおうというアイデアである。

ゲームをクラウド化するスーパーコンピュータ、AMDが開発(ITmedia)

 単体としてのチップの高速化と、クラウド化によるリソースの大容量化を合わせて、スーパーコンピュータとみなすようである。スーパーコンピュータのイメージもだいぶ変わってきたものである。PCのCPUを集積したものに、クラウドの要素を加えたものが新しいスーパーコンピュータ像となりそうである。


 ゲーム開発のベンチャー企業などがクラウドを前提にすれば、開発のためのハードウェアへの投資をほとんどゼロにすることもできる。これは特別なサーバーを持たずに業務が可能になることと同様である。そしてリソースをふんだんに使うような大掛かりなゲームも可能であるかもしれない。Second Lifeのように仮想空間に入り込んで、多人数が同時に参加するようなゲームも作れそうである。そういえばSecond LifeAmazonクラウドを使っているといわれる。


 またゲームユーザにとっては、ゲームプレイはクラウドによる仮想サーバーを通じて行うので、自前で高性能マシンを用意してゲームソフトを買ってきてインストールせずとも、リソースの豊富なクラウド上で快適に行うことができるようになる。「ゲームクラウド」は画期的な1つの専用クラウドとなりそうである。チェスや囲碁・将棋のためのコンピュータはスーパーコンピュータを必要とするだけの深い読みが必要だが、これまでのように1つのPCでなくてクラウド化することによって、かつてチェス世界チャンピオンの相手をしたIBMのディープブルーのように、一般ユーザでもスーパーコンピュータ相手に複数の人間が対局できるゲームクラウドを作れるようになるかもしれない。


 どんな時代でも、コンピュータの発展にはゲームが一定の役割を果たしてきたことを考えれば、専用クラウドの発展のためにもゲームクラウドは有望なものとなるかもしれない。