Ubuntuのクラウドへのアプローチ

 次々期バージョン9.10で、クラウドへの取り組みを明らかにしたUbuntuであるが、Ubuntuのアプローチが今後クラウドの標準となってくる可能性があるという。Linuxの中でもUbuntuへの関心が高い者にとっては、興味深い話である。

Ubuntuのクラウドへの取り組みをマイクロソフトが警戒すべき理由(builder)
Why Microsoft should fear Ubuntu's cloud efforts(cnet news)
Ubuntu now has 'cloud computing inside'(cnet news)

 Microsoftとの対比の話はどうでもよいとして(クラウド以前にネットやソフトへのポリシーが違いすぎる)、先行するクラウドのベンダーよりも、Ubuntuデベロッパーの方が主導権を握ることになるかもしれないというのは面白い。それはUbuntuが完全なオープンソース性によるものだからだという。Ubuntuまわりのクラウド技術をユーザが持つことによって、少なくともベンダーを選択できるだけの力を持つことができるようになる。また、Eucalyptusも標準でパッケージに含まれるようになれば、内部クラウドのようなものを自ら構築できるようにもなる。今でもLinuxのコマンドを駆使して、クラウドに近いサーバーのクラスターを構成することはできるが、Eucalyptusではより容易に行うことができるようになるのだろう。


 WebサービスはOSによらないものの、クラウドを構成するためのOSは、サーバー仮想化に始まりサーバー連携まで、何が最適かはまた別問題である。このへんが完全オープンソースでありデベロッパーの情報も豊富なのが最も望ましいところであり、それが主流になっていくだろう。Redhat系にしろSUSEにしろ、あるいはSolarisにしろ、やはりヒモ付きになっている。Ubuntuはすでに先端的な研究開発用に使われているのは、あちこちで見かける。一見市場的には後発に見えても、あっという間にクラウドをリードする存在となる可能性は高い。