IE9のβ版は9月15日リリース

 IE9がそろそろ現実化してくる。9/15にβ版がリリースされる。β版とはいえ実質的には最終版で、公開して少し時間が経ってからマイナーアップデートはともかく、そのまま正式版になるだろう。これでIEはメジャーバージョンがIE6からIE9まで4代に渡って混在しそうな状況である。

IE9のβ版、9月15日にリリース(ITmedia)
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 IE9の新機能については、もう取り立てて論じるまでもないだろう。どのブラウザも最新のバージョンではHTML5対応が急務である。JavaScriptの高速化はWebサービスが当たり前になっている現在、必要最低条件といえる。ブラウザの起動から画面の切り替えなど、トータルのパフォーマンスもモバイル対応のためにも是非とも必要である。


 ブラウザのシェア争いはここ最近、微妙な情勢である。長期低落傾向でシェア60%も切ったIEだったが、この2ヶ月ほどで歯止めがかかったか、微増して60%を回復している。逆にFirefoxChromeのシェアが減少しているのが目に付く。もはや利用するなという勧告さえ出ているIE6はともかく(それでもIE全体の17%である)、IE8が伸びているためだという。


 やや意外な結果でもあり、半年くらいはシェアの推移を見ないと何とも言えないが、ここに来てのIEの反転はWindows 7の効果が大きいためかもしれない。XPを使い続けていた人はIE6に問題を感じて、FirefoxChromeを自主的に導入していた。Vistaは飛ばしたが、やっとWindows 7にリプレースしてそこにはデフォルトでIE8が導入されていた。IE6よりは安心で快適であるため、そこにわざわざFirefoxChromeを導入せずに使っているという構図かもしれない。


 他の要因としては、HTML5ビデオのコーデック問題があるかもしれない。Flashプラグインを必要とせずに動画が見られるかどうかだが、そこまでシェアの差として現れるほどではないかもしれない。ブラウザとOSの一体化は今後はますます強まることになるだろう。形は違えど、それはMicrosoftエクスプローラIEを一体化しようとしたことに近づくことになるのだとしたら、やや皮肉な話である。そうなると有利なのはWindowsIEChrome OS、MacOS+Safariということになりそうだが、さてどうなるか。