期日前投票は影響するか?

 参議院議員選挙が2週間後に迫った。本来、国政の命運を決めるのは衆議院議員選挙のはずだが、どうも今回は風向きが違うようだ。どこか現政権のタガが緩んでいるようだからである。

 政治的な駆け引きで、意図的に夏休みムードの期間にあえてぶつけたのかどうかはわからないが、投票率が選挙結果に影響すると言われる中、注目されてきたのが「期日前投票」制度である。

期日前投票1千万人も…無党派に与党警戒、野党期待 (ZAKZAK)

あまり知らなかったが、平成15年の12月から施行されたのそうで、前回の参院選と(7月11日)、衆院選と合わせて3回目の適用ということになる。700万人から900万人近くまで制度を利用した有権者が増えている。
 それまでの不在者投票は、封筒の署名など面倒さを感じさせて、いかにも公的な理由がないと行使する気にならない制度だったようだが、期日前投票は単に「レジャーに行くから」程度の理由で先に投票を済ましてしまうような気楽なものになったらしい。
 長期的な投票率の低下から、投票率を上げる策としても、国民の投票の権利を尊重する意味でも当然のようにも思えるが、選挙に無関心な層に媚びすぎのような気もしなくもない。


 「無党派層は寝ていて」と言った首相もいたが、投票率が上がれば政権与党にとって本当はどうなのかも、ふたを開けてみなければよくわからない。

 夏に家族でレジャーに出かけてしまって、軒並み投票率が下がって組織票がモノをいう結果になるか、期日前投票のことを知った無党派層有権者が増えて、意外と投票率が伸びる結果となるのか。
 これが昔なら(今もか?)、選挙当日の天気が影響すると言われた。天気が良いと選挙の出足が好調で無党派層の票が伸びて、野党が伸び、天気が悪いと投票率が下がり、組織票に強い与党が伸びるということだった。


 しかし選挙当日の天気や気分で政治が左右されるのも可笑しな話で、それだけ日本人は選挙や政治に関心が薄れているということだろうか。自分もそうなので、あまり人のことも言えないのだが、天気やレジャーより何より、わざわざ投票所に出向いて「ぜひ、この人に投票したい」という候補者がいないのである。

 衆院選などは小選挙区になって、パフォーマンスと女性ばかりの選挙になった結果、自分の選挙区などは、自民も民主とも全然名前も知らないオバさん候補者2人と、党役員と称する共産候補、その他だけである。これだけの選択肢で「日本の未来を託せ」と言われても、全く説得力に欠ける。なにしろ自分は、初めて書いた支持政党は「スポーツ平和党」である(笑)


 小手先の選挙制度改革よりも、大きく変わる可能性があるのはネットでの選挙の確立だろうと思う。単にネットで投票できるというだけでなくて、各政党とも候補者段階からネットで自薦、他薦を含めて選考し、正式な候補者にしていくというのはどうだろうか。地盤・看板・鞄にドブ板選挙などという、政治だけいつまでも古い慣習のままでは、すっかり政治家が世襲化して同時に小者化した現状となり、あまり託せる未来はないように感じるのである。