米HPも低価格小型ノートPC

 Eee PC、CloudBookに続き、大手のHPも低価格小型ノートPCを発表した。このジャンルは確実に大きな市場になってきそうである。

Eee PC対抗?米HPが低価格小型ノートPC発表 (ITpro)

 500ドルPCというのは、かつてJavaが出てきた10年以上前に、Oracleなどによって「ネットワークコンピュータ」の概念から提唱されたものだった。アプリケーションはサーバ側で実行させることによって、クライアントPCには余分なアプリをインストールする必要はなくなり、いわゆるTCO(Total Cost of Ownership)の削減ができるというものだった。


 現在では当時とはだいぶ事情は違うが、Web2.0の言葉に代表されるSaaS化とセキュリティを重視するシンクライアントの必要性から、「500ドルPCのネットワークコンピュータ」は、ある意味復活してきていると言えるだろう。もっとも500ドルよりももっと安くなってくれるとありがたいが。


 また当時と変わっているのはブロードバンド回線や無線LANの普及、ハードウェアはCPUの性能はもちろん、メモリやHDDのストレージの容量の飛躍的増大である。画面が小さいとはいえ、ノートPCでもネットの動画でも自由に扱うことができるようになった。ノートPCはますますどこにでも持って行く活用範囲が広がったといえる。それには実質的には1Kgを切る重さのものであるべきである。ここにきて、そのようなノートPCがやっと1つのブームとなってきそうである。


 そのノートPCの内容がやはりWindows、ではないだろう。せっかくのハードウェアの性能がアップしていてもWindowsではそのメリットが生かしきれない。そこで海外ではEee PCをはじめ、Linuxが採用されているのである。ところが日本市場にはLinuxバージョンは提供されていない。
 そしてHPのノートPCには、SUSE Linuxが組み込まれるという。HPとMicrosoftとの関係から、Microsoftと提携関係にあることでSUSE Linuxが選ばれたか、欧州市場を意識してのものかもしれない。そうなると日本版はどうなるか。Windows版に加えてLinux版も出るか、だとしてもSUSE Linuxがどれだけ国内では認知されているかである。結局また、Windows版しか出ない(それもVista)としたら、また残念なことである。