HPミニノートPCが1日で売り切れ

 Eee PCに始まるミニノートPCのブームの中、PC最大手のHPのミニノートにも人気が集中、先月の発売日に続き、今回もまた1日で売り切れたという。小出しにしているわけではないだろうが、このミニノートPCの人気の理由は何なのだろうか。iPhoneのトレンドと並んで、今最もホットな話題と言えそうだ。

ミニノート「HP 2133」、販売再開するもまた売り切れ  (japan.internet.com)
【今週の Web ミミズク】まだまだ続く HP ミニノート騒動

 確かにPCの市場は台数、話題ともに、もう飽和している感があり、Vistaがブームにはならない背景もそこにある。一方でネット端末としては、携帯の市場の方がまだ可能性があると考えられており、それがiPhoneの人気につながっているとみることもできる。


 PCでも、デスクトップPCよりは、省スペースで移動しやすいノートPCの方にすでに関心は移っていたと思われる。ちょっと人が集まったようなときでも、他人がおもむろに取り出すノートPCの機種やスペックの方が話題になったりする。
 そんな中でのミニノートPCのブームである。初めの頃は、わりとヘビーユーザのセカンドマシンとしての位置づけかと思っていたが、やはり価格設定が大きな魅力のようで、多くの人の関心を引いたようである。そんな中でのHPの参入だったところから、HPへの信用も加えて、人気につながったのだろう。XPへのダウングレード権をめぐって玉虫色的決着をするまで販売延期にもなったが、逆に期待感を増幅する効果にさえなったようだ。


 あらためて仕様を見るまでもないが、ミニノートPCとはいえ、XPの環境としては通常のPCのスペックになんら劣るところはない。それが従来のノートPCの価格の1/4くらいになるのだから、ノートPCは欲しくても手が出なかった人にとっても、大いに購買意欲を掻き立てられているようである。

 自分としては、XPはいらないので、LinuxモデルかOSレスモデルを出してほしいくらいであるが、人気が高まって、いろいろな要望が出てくれば、第2世代、第3世代以降に面白いモデルが出てくることを期待することにしよう。


 しかしこのミニノートPCのブームは従来のPCのあり方を大きく変える可能性を持っているようにも思う。これまで唯一高かったノートPCの価格にも風穴が開き、普段使用するPCは必ずしも大きいものでなくても構わない。これまで以上に、ネット端末としての利用時間が長くなるだろう。背景にはWeb2.0の進展がある。ネット環境さえ整備されていれば、ミニノートPCでYouTubeの動画を見ることも特に障害はない。いつでもどこでも、どのPCからでもできる環境であれば、コンパクトで軽いPCの方がよいと考えるのは当然である。現在はiPhoneと同様で、興味本位が先に立っているが、業務にも十分耐えられるものと認識が広がれば、コスト削減にもつながるだけに、かなりの部分のPCがミニノートPCに置き換わっていくことも考えられるだろう。より市場が広がり、非Windows化も進んでほしいものである。