Google検索がCO2排出に影響?

 世界中のPCの台数の増加だけでも、その消費電力からくるCO2排出は増えているとは思うが、なんと日常的なGoogle検索だけでもCO2排出に影響するのだという。一瞬なんのことだかよくわからないが、ハーバード大学の物理学の先生が言っていることなのだから、そういい加減な話でもないのだろう。Googleにしてみれば、なぜGoogleだけが槍玉に挙げられるか、ということになるだろう。

グーグル検索2回でおよそ7gの二酸化炭素が排出--米物理学者が指摘(CNET Japan)
Google、「1回のGoogle検索で二酸化炭素7グラム排出」の論文に反論(ITmedia)
米物理学者本人、グーグル検索の二酸化炭素排出量報道を非難(CNET Japan)(1.14追加)

 単純にサーバーの台数が多いからというだけでなく、検索という動作そのものがディスクのアクセスを増やし、結果的に消費電力が大きくなるとでもいうのだろうか。Googleはさっそく反論しているが、サーバーだけというより世界中のPCの数の増大の方がはるかに大きいと思えるが、いろいろと試算はありそうでなんとなく騙されやすい気もする。


 CO2排出といえば、PCばかりでなく、電気やガス、車といったインフラや文明生活に関わるものすべてが対象になる。排出の割合を小さくすることは技術革新によって可能にはなるだろうが、ゼロにできるものではない。人間活動を制約するような発想は「呼吸するな」と言っているようなもので、正しい方向性とは思えない。同じように現時点でGoogle検索のような情報活動をなんとなく規制するような発想も同様である。


 CO2だけの問題というより、CO2を吸収させるしくみを含めたエネルギーのサイクルというものを根本的に変えていくことが必要なのだろう。Googleのような「情報発電所」は、本当のエネルギーの発電所を必要とする。たとえばそのエネルギーを従来のような化石燃料を燃やして得られるものではなく、太陽エネルギーで賄えるようなしくみのものができないかという気もする。太陽電池で動作する電卓があったが、同じように24時間太陽電池でサーバーが動くような効率を持ったものである。


 20年ほど前、「情報のあるところにはエネルギーが必要」ということを考えたが、これはチップと同様で、現在では同時にCO2排出、つまり熱対策も必要になるということでもあるのだろう。