国内のPC出荷台数は伸びる

 PCの国内出荷は台数では増加しているものの、出荷額では減少しているという実態が明らかになっている。PC市場でもデフレが進行しているといってもいいのだろうか。

PCの国内出荷、2009年第3四半期は12.4%増(CNET Japan)
「2011年までに日本のPCシェア5位以内へ」--日本エイサー、2010年経営戦略説明会

 台数が増えたといっても、圧倒的に増えたのはノート型PC、もっといえばネットブックとそれに対抗するために出てきた低価格ノートPCによるものといっていい。昨年の夏以降、Windows 7の出荷、企業の投資回復傾向によるPCの導入、それと教育用PCの需要によるところが大きいという。もうPCといえば、サーバー以外はノートPCやネットブックと言ってもよい時代になりつつあるかもしれない。不況が一気にこうした傾向を進めたことになるだろう。


 自分も近年は自分でPCを買うことがほとんどなくなったが、昨夏Acerネットブックを買ったのが唯一である。なんと店頭処分品(訳あり商品か)だったので、29,800円で買えたからである。DVDドライブが付いていないくらいで、それでも自分の所有している何台かのPCよりはスペックが高いのだから、あきれてしまう。何かの記事にも書いてあったが、いずれ持ち歩いて簡単に接続できるサーバーにもしてしまおうと考えている。サーバーといえばデスクトップかラックマウント式にように設置するものという考えも古いものなので、いろいろな場面で即興で立てたサーバーをで役に立つこともあるだろう。


 さてノート型、ネットブックが伸びてきて、俄然進出してきたのがである。安かったからとはいえ、自分もAcerを買ったのは世界的にネットブックのシェアがトップになっていることを知っていたからである。自分の関係するところでも、今春にAcerネットブックではないが低価格ノートPCを導入することが決まった。不況下の日本市場にも確実に進出しているようである。かつてデスクトップ機のイメージだったDELLをシェアで初めて抜いたという。自分も10年前はDELLのマシンを買っていた(Windows2000の頃)が、今はAcerネットブックだけを買っているのだから、象徴的ではある。お金がないことももちろんなのだが、やはり昔のような感覚でのPCの購買意欲がなくなっているのが大きい。そしてそれは、どうやら自分だけではないようだ。デパートの不況と同じで、誰も好んでブランド物の、高価な商品を買おうという意欲がなくなっているのである。PCも薄利多売で利益が薄いことは今に始まったわけではないが、それでも高価だったノートPCの価格が崩れたことによる出荷台数の伸びだけが、今のPC市場を支えているといえるのかもしれない。


 まだ当面はこうした「市場の低価格ノートPC化」は進行し続けるだろう。そうして問題はこの上に乗るサービスがどんなものが定着してくるかである。そして、それらはスマートフォンとも共通するものになるだろう。